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若き3人衆による新守護神争い、"GK兼通訳"の川島が一歩リード?

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 アルベルト・ザッケローニ新監督を迎え、4年後のブラジルW杯に向けてリスタートを切った新生ジャパンの象徴とも言えるのが若き3人のGK陣だ。27歳のGK川島永嗣(リールス)、24歳の西川周作(広島)、21歳の権田修一(F東京)。平均年齢24歳と、南アフリカW杯代表のGK陣から一気に8歳も若返ったフレッシュな3人がマウリツィオ・グイードGKコーチの下、初練習を行った。

 初のイタリア人GKコーチ。GK練習に通訳の同伴はなく、言語の問題が心配されたが、ミーティングでも通訳の言葉より監督の言葉が耳に入ってくるというほどイタリア語が堪能な川島が「分からないことは分からないと言いましたけど、言ってることは大体理解しました」と、“臨時通訳”としても大活躍。これには「単語は少し分かりましたけど、川島さんが通訳になってくれた」(権田)、「(川島)永嗣さんが通訳になってくれたので助かりました」(西川)と、感謝しきりだった。

 川島が「特に変わったことはしていない」と話したように、練習内容は基本的なものだった。それでも、トリノ時代にグイードGKコーチの指導を見てきたFW大黒将志が権田に「GKコーチはすごくいいボールを蹴るから楽しいと思うよ」と話していた通り、グイードGKコーチは厳しいコースへ次々とボールを蹴り入れるなどレベルの高い練習が続いた。

 グイードGKコーチから「GKがキャッチして、そこから攻撃が始まる」「簡単なボールは簡単に取ろう。そんなに力を入れる必要はない。ゲーム状況を加味してやろう」と指導を受ける中、川島が「GKの練習はひとりがやれば、あとはそれに続いてやれたりするので」と、西川と権田を引っ張り、リーダーシップを発揮した。コミュニケーションを含め、現時点では川島が一歩リードした形となったが、西川も権田も「試合に出られるようにならないといけない」と声をそろえる。新守護神をめぐる戦いは、ここからが本番だ。

<写真>グイードGKコーチ(左)の指導を受けるGK3人

(取材・文 片岡涼)

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