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大宮、水増し防止に新方式で入場者発表

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[10.24 J1第27節 大宮2-2川崎F NACK]

 観客数の水増し問題に揺れる大宮アルディージャだが、問題発覚後初のホームゲームとなった24日の川崎F戦で、新方式の入場者発表を行った。

 試合開始の2時間前から30分刻みで集計し、試合開始約1時間前に途中経過をスタジアムの電光掲示板で公表。さらに試合中、後半40分ごろに正式な入場者数として、この日は1万740人だったと発表したが、入場ゲート通過者1万672人、VIP51人、車いす17人と内訳まで詳細を公表した。渡邉誠吾代表によると、この日の入場者発表は、NACK5スタジアム大宮開催で初めて水増し無しの“正しい数字”という。

 新方式導入は再発防止に努めた形で、試合後に会見を行った渡邉誠吾代表は「未来永劫という確約はできないが、失った信頼を回復していきたい、そのために他のクラブがやってない方法をとった。どこよりも透明で、クリーンなクラブを目指してやっていきたい」と説明し、涙ながらにサポーターに謝罪した。

 ただ、水増しを主導したとされ、解任された幹部スタッフ2人について、取材陣から「解雇にしたのか? それとも“関連会社(NTTグループ関連企業)に戻ったのか?」と糾弾されたが、渡邉代表は「クラブから離れたとしかいえない」と明確にはしなかった。

 さらに、「そのスタッフは選手に謝罪もなくクラブを去ったと聞いているが、こういうことは許されるのか?」と突っ込まれると、「(首謀者2人は)すでに解任してクラブを離れているので。私が代表して、選手の方にはお詫びを申し上げることにしています」と話すにとどめた。

 また、渡邉代表自身は引責辞任する意向を示しているが、この日は、その時期の見通しについて「この場ではお答えできない」と言葉を濁した。さらに報道陣から「関連会社(NTTグループ関連企業)に戻る可能性はあるのか?」と追求されると、「現在、白紙でございます。あるともないとも言えない」と困惑顔で答えた。

 Jリーグからの処分はまだ決まっていないが、近日中に行われる裁定委員会を経て、罰金や勝ち点剥奪など、何らかの処分が科される見通し。選手には非がないため、サポーターとしては、勝ち点剥奪など最悪な事態だけは避けたい思いだろう。クラブ側は今後、様々な面から信頼回復に努める。

大宮、観客水増し問題で試合前に謝罪挨拶

(取材・文 近藤安弘)

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