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鹿島は3試合ぶり勝利で2位に浮上、4年連続ACLに王手

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[11.28 J1第33節 鹿島2-1京都 カシマ]

 J1第33節は28日、各地で2試合を行い、カシマスタジアムではACL出場権獲得を目指す3位鹿島アントラーズとすでにJ2降格の決まっている17位京都サンガF.C.が対戦し、鹿島が2-1で競り勝ち、3試合ぶりの勝利を飾った。
 前半17分にMF野沢拓也のゴールで先制すると、同31分にMFフェリペ・ガブリエルが追加点。後半19分にFW宮吉拓実に1点を返されたが、そのまま2-1で逃げ切った。勝ち点を59に伸ばした鹿島は得失点差でG大阪を抜いて2位に浮上し、4年連続ACL出場へ王手。12月4日の最終節・山形戦に勝てば、自力で来季のACL出場権獲得となる。

 鹿島はDFジウトンが欠場し、左SBでDF宮崎智彦がJデビューとなった8月21日のC大阪戦(0-1)以来、13試合ぶりに先発した。
 京都は前節の山形戦で負傷交代したGK平井直人に代わり、GK守田達弥が2試合ぶりに先発復帰。両SBもDF渡邉大剛とDF森下俊が2試合ぶり先発となり、負傷離脱したMF染谷悠太に代わってボランチではMF角田誠が8試合ぶりの先発。古巣戦となったFW柳沢敦も2試合ぶりに先発に戻った。
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 両チームの力の差だけでなく、お互いにとってこの試合の持つ意味の違いがそのまま立ち上がりに表れた。京都は前半13分、高い位置でボールを奪ったMF中村充孝がそのまま左足ミドルを狙うが、攻撃は単発。鹿島も同14分にMF中田浩二が遠めからシュートを放つなど徐々に京都を押し込んでいった。

 そして前半17分、一度はクリアされたセカンドボールを中田が拾って右サイドに展開。DF新井場徹のクロスに走り込んだMF野沢拓也が柔らかいタッチの左足ダイレクトシュートでゴール左隅に流し込み、早くも先制に成功した。

 反撃を狙う京都だが、攻撃に連動性を欠き、鹿島守備陣は危なげなく跳ね返す。前半31分にはカウンターからFW興梠慎三がドリブルで駆け上がり、前線にスルーパス。MFフェリペ・ガブリエルのシュートはGKのセーブに阻まれたが、このプレーで獲得したCKから追加点を奪った。

 野沢の右CKに飛び込んだのは、なんとフェリペ・ガブリエル。ピンポイントで捉えた豪快なヘディングシュートがゴール左に突き刺さり、7月17日の川崎F戦(2-1)以来、実に20試合ぶりとなるフェリペの今季2点目で2-0と突き放した。

 京都は前半45分、柳沢がPA内からシュートを狙うもGKの正面。逆に鹿島は同47分、野沢の右CKから再びチャンスをつくり、DF岩政大樹のヘディングシュートをGKが弾いたボールに興梠が詰めたが、ゴールライン上でDFにクリアされた。3点目とはいかなかったが、2点のリードを奪い、前半を折り返した。

 後半に入り、京都が意地の反撃に出る。後半8分、左後方からのFKに角田が頭で合わせるも、GKがキャッチ。同9分には中村充の横パスから角田がミドルシュートを放ったが、ゴール上に浮いた。

 ゴール前に迫る場面を増やしながら、ゴールが遠い京都。後半16分、森下に代えてDF中村太亮、同17分には柳沢に代えてFW宮吉拓実と立て続けに選手を入れ替えた。

 すると後半19分、思わぬ形で追撃ゴールが生まれた。MFドゥトラが右サイドからゴール前に折り返したクロスをGK曽ヶ端準が前に出てキャッチしようとしたところで、まさかのファンブル。後方にこぼしてしまったボールを宮吉が難なく無人のゴールに押し込み、1-2と1点差に迫った。

 守護神のまさかのミスで流れが京都に傾いたか、4試合ぶりの得点で勢いに乗り、後半22分には中村充の左足ミドルがクロスバーを直撃する決定機も生まれた。一気に同点を目指し、相手陣内に押し込むが、鹿島守備陣もこれ以上のミスはできないと集中して守った。

 鹿島は後半26分、フェリペに代えてMF青木剛を投入し、守備を強化すると、同37分にはMF小笠原満男に代えてMF遠藤康をピッチに送る。累積警告3枚の小笠原を最終節で欠くわけにはいかないという次を見据えた交代でもあったが、直後の同39分、遠藤がゴール前でチャンスを迎え、こぼれ球をFWマルキーニョスがシュート。しかし、これは惜しくもクロスバーに弾かれた。

 救われた格好となった京都だが、後半41分、FWディエゴの右CKに合わせたDF郭泰輝のヘディングシュートはゴール左へ。同50分の中村太の左足シュートも枠を捉え切れず、そのまま1-2で終了。11試合連続白星なし(2分9敗)となり、12月4日の最終節でJ1残留の懸かったF東京をホームに迎え撃つことになる。

(取材・文 西山紘平)

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