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兵働が移籍を表明、清水は主力大量流出へ

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[1.1 天皇杯決勝 鹿島2-1清水 国立]

 清水エスパルスのMF兵働昭弘が、オファーを受ける柏レイソルへ移籍する意思を表明した。負傷欠場した試合後、報道陣の取材に応じ、「自分の意思は固まっている。いつかリリースが出ると思う。環境を変えて一からスタートすることで、サッカー選手としてもうひと回り大きくなるんじゃないかと思って決断した」と明かした。

 「好きだけど離れるのは迷ったけど、その気持ちだけで残ったらダメだと思うし、違う環境でチャレンジしようと」。兵働だけではない。FW藤本淳吾名古屋グランパス、MF本田拓也鹿島アントラーズへの移籍が決定的となっている。

 ドイツ1部シュツットガルトが獲得に動いているFW岡崎慎司も交渉は大詰め。まだクラブ間で合意に至っておらず、「ソワソワしている。まだどうなるか分からないし、不安もあるけど、行けるなら行きたい」と、代理人からの“朗報”を待っている状況だ。

 DF市川大祐、MF伊東輝悦ヴァンフォーレ甲府移籍、DF青山直晃横浜F・マリノス移籍も発表され、FWヨンセン、GK西部洋平も退団する。

 長谷川健太監督の退任とともにチームは大きく様変わりする。市川は「最後に優勝できなくて申し訳ない気持ちがある。残るメンバーがこの悔しさを経験にして、前に進んでいってほしい」と話したが、その前途は多難だ。

 これだけの主力流出を招いたのは、フロントの見通しの甘さにも要因がある。年齢を理由にチームを長年支えてきたベテラン選手を戦力外としたことは、チーム全体に衝撃を与えた。「いずれは自分もそうなるのか」と漏らした選手は結局、その後オファーを受け、今オフの移籍を決断した。

 ある関係者は「まさか(藤本)淳吾までいなくなるとは思わなかった。裏切られた思いだ」と話したが、こうした事態は容易に想像できたはずだ。契約を残している選手の1人は「来季はオファーが来るように頑張らないと」と、1年後の移籍を見据えたような言葉まで口にした。今のメンバーで最後のタイトルを取ろうとチーム一丸となって勝ち進んだ決勝の舞台。しかし、来季も同じように戦えるかどうかは未知数だ。

(取材・文 西山紘平)

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