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[MOM133]全日本大学選抜DF丸山祐市(明治大)_全日本のプライド守る左足FK弾!

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.6 デンソーカップチャレンジ決勝 全日本大学選抜1-0関東A選抜]

 左足から放たれた鮮やかなFK弾が全日本大学選抜のプライドを守った。関東A選抜に押し込まれて厳しい展開が続いた前半の終了間際、全日本はPAの手前やや右寄りの好位置でFKを獲得。キッカー、DF丸山祐市(明治大3年=國學院久我山高)のキックは壁を越え、ゴール右上隅にズバリと決まった。

 「あの位置なら左足が良い。普段なら中里(崇宏)や椎名(伸志)が蹴るけど、その時間に試合に出ていなかったので僕が蹴りました。壁が少し遠かったので、ニアが狙えるかなと思った。コースは狙った通り、完ぺきでした。決まる時は、ボールを置いてルックアップしたときに感が働く」と値千金のゴールを振り返った。

 試合の主導権を握られて苦戦していた展開を一気にひっくり返す一発となった。この試合では敵将となった神川明彦監督は、所属する明治大の恩師。「恩を仇で返した」と苦笑した指揮官に、丸山は「明大に戻って試合に使ってもらえるか分からなくなってしまった(笑)。でも、今度は明大でも決めて神川さんにも恩返しをしたい」と話し、笑みを浮かべた。
丸山の下には、複数のJチームからオファーが届いている。

 しかし、丸山自身は大学卒業後の進路を一般企業への就職と決めている。「高校3年のとき、ケガからの復帰が遅れて完全燃焼できなかった。そのときに『あと4年だけやって完全燃焼する』と決めた。自信がないというわけではないけど、僕よりもっと良いDFはたくさんいると思う」と揺るがぬ決意を語った。

 目指すは、金融業界。早めに内定を決めて、サッカー生活最後のシーズンを充実させたいと考えている。各地域の選抜選手が集う大会のため、会場には多くのスカウトが姿を見せたが、丸山は「企業の人事の方も来てくれたら嬉しいんですけどね……」と頭をかいた。自身のサッカー人生を存分に楽しむため、明大でタイトルを取り恩返しをするため、この日のFK同様に就職内定をズバリと決められるか。ヒーローは新たな戦いに挑む。

(取材・文 平野貴也)
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