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“遅れてきたダイナモ”が一気にレギュラー狙う、米本「これがチャンスだと思う」

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 FC東京のMF米本拓司もロンドン五輪を目指す関塚ジャパンに初参戦する。20歳とU-22日本代表の中では“若手”の部類に入るが、代表では2007年のU-17W杯に出場し、昨年はイエメン戦でA代表デビューも果たした。クラブでは2009年のナビスコ杯ニューヒーロー賞&MVPを獲得しており、ボランチのレギュラーとして期待されている。

 本人も自覚は十分だ。すでに目標としてレギュラー取りを公言しているが、21日のF東京の練習後にも、「これがチャンスだと思う。チャンスをつかみとらないと(代表に)入れない。チャンスをつかみとれるように準備したい」と22日に出発するウズベキスタン遠征で関塚隆監督にアピールすることを宣言した。

 ボランチには主将も務めるMF山村和也(流通経済大)や成長著しいMF青木拓矢(大宮)、アジア大会でアピールしたMF山口螢(C大阪)のほか、米本と同じくA代表経験があり、今回が初参加となるMF山田直輝(浦和)がいる。競争は激しいが、「自分のストロングポイントは守備。ストロングポイントでないところで勝負しても意味がないので、まず守備から入って、そこからいいプレーにつなげたい。縦パスだったり、ミドルシュートだったりとやっていきたい」と持ち味の出足鋭い守備で“違い”を見せるつもりできる。

 ロンドン五輪にかけるモチベーションは、もう一度、世界を感じたいという思いだ。2007年のU-17W杯では、日本はグループリーグ敗退。米本自身は先発は1試合のみに終わり、悔しい思いをした。その後の2009年のU-20W杯も、日本は前年のアジア予選で敗れたうえ、米本は当時18歳の高校3年生だったこともあり、メンバーに選出されなかった。少し、世界から遠ざかり、たぎる思いがある。

「世界で戦うのはいい経験になる。自分の足りないところとかを確かめることができる。その場所にいって、またステップアップしたい。オリンピックに出ても、それは通過点で最終目標ではないですけど、そこに出て、ステップアップすることができればいい。そのために、まずはメンバーに入ることが大事。目の前の試合を戦っていきたい」と力強く言い切った。

 昨シーズンは怪我に泣いてシーズンの大半を棒に振った。プレー自体も、あまり思うようにできなかった米本。だが、F東京の大熊清監督は「米本は昨年の復帰した時よりいい。レギュラーを奪える力がある」と完全復活に太鼓判を押す。この日のF東京の練習試合・東京学芸大戦でも、相手は格下とはいえ、運動量や1対1、攻守の切り替えで圧倒的な存在感を見せつけていた。怪我やチーム事情で“遅れてきたダイナモ”だが、今回のウズベキスタン遠征で一気にレギュラーの座をつかむ。

[写真]21日に行われたF東京の練習試合・東京学芸大戦での米本。持ち味の出足の鋭い守備で力の差を見せつけていた

(取材・文 近藤安弘)

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