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「『共鳴』追求する」U-17日本代表がU-17W杯開催地メキシコ遠征へ

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 今年6月開幕のU-17W杯メキシコ大会に出場するU-17日本代表はきょう23日から、U-17W杯の開催地であるメキシコ遠征を行う。現地では3月27日と4月3日にU-17メキシコ代表と国際親善試合を行うなど4試合を予定。出発を控えた22日午前には千葉県成田市内でフィジカルテストや5対5のミニゲームなど約1時間30分の練習を行い、“仮想・W杯”となるメキシコでの強化合宿へ向けて調整をした。

 2月に行った計12日間の千葉・静岡合宿では横浜FC、湘南ベルマーレ、ジュビロ磐田といったJクラブから高校生までの8チームと練習試合を行い、8戦全敗。全員攻撃、全員守備をテーマに戦うチームだが、Jクラブ相手には分断されてコンパクトなサッカーをすることができなかった。結果ボールを簡単に失い、スペースを突かれて失点。それだけに吉武博文監督は今回のメキシコ遠征へ向けて「攻守の一体化。全員攻撃、全員守備を試したい。コンパクトなままで進められるかということと、奪った後のボールをすぐに失わずに、もっと主導権をもってハーフウェーラインを越えることができるか。質を高めていく」

 前回の千葉・静岡合宿で6人が招集されていたFW陣はエースFW南野拓実(C大阪U-18)を除いて入れ替えられ、2月の「富士ゼロックススーパーカップNEXT GENERATION MATCH」にU-18Jリーグ選抜として出場して活躍したFW野津田岳人(広島ユース)、FW井上丈(新潟ユース)らが招集された。この日のミニゲームで存在感を示していた野津田ら新戦力がどれだけレギュラー争いに食い込み、チーム力を高めることができるかもこの海外遠征の重要なポイントとなる。

 そしてチーム最年長に当たる94年早生まれのDF鈴木隆雅(鹿島ユース)はメキシコ遠征での目標として「世界大会への準備の大会。監督から言われてきた『共鳴』を追求する」と意気込んだ。『共鳴』は94年生まれを中心に結成されているU-17日本代表のチームコンセプト。同じ絵を描く「共通意識」を持ち、状況把握して「情報の共有」をし、3人以上で「意図を共感」して「共同作業」を成し遂げる。05年のU-17W杯で優勝している強さに加えてホームでのW杯を控えて士気上がる世代屈指の強豪、U-17メキシコ代表相手に個人で、チームで力試しする。

 東日本大震災によって、日本代表戦やJリーグが中止になる中で行われるW杯へ向けた強化合宿。指揮官は「世界から『日本元気出せ!』というメッセージをもらっているので、我々が元気な姿を見せることが役割かなと思っている」と力を込め、祖母が宮城県で被災して無事を確認するまで長時間かかったという鈴木は「自分ができることを精一杯やる」。メキシコではW杯へ向けての準備を行うと同時に、日本の活力となる戦いをする。

[写真]エース・南野(右)が松村とボールを奪い合う
(文 吉田太郎)
U-17日本代表メキシコ遠征メンバー

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