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大分へ避難のJFAアカデミー福島FW松本、U-17代表へ「自分が代表として頑張る」

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 「サッカーをしたくてもできない人がいる。自分が代表として全力で頑張ってきたい」。U-17日本代表のメキシコ遠征に特別な思いを持って参加しているのがFW松本昌也だ。松本は東日本大震災で被災し、避難区域に入っているJFAアカデミー福島所属。11日にグラウンド上で「立ってられないほど」の地震に遭い、14日に東京へ避難するまでは他の被災者たちとともに小学校の体育館で寝泊まりをした。

 今回のメキシコ遠征へ向けたトレーニングを福島で行うことは叶わず、地元・大分へ戻って社会人チームの練習に参加するなどして調整してきた。思い入れのある福島は地震、津波、そして原発事故が相次ぎ、友人たちともバラバラに。辛い体験をしてきたが、メキシコで存分にサッカーをできる喜びもある。そして仲間たちへの思いが、苦しい状況でも16歳のFWを走らせるはず。「サッカーをしたくてもできない人がいる。その人たちの分まで頑張る」と誓った。

 松本は昨年のAFC U-16選手権においてスーパーサブとして全5試合に出場。U-17W杯出場に貢献した。そしてW杯イヤーの1月宮崎合宿メンバーにも選出されていたが、2月の千葉・静岡合宿メンバーからは外れていた。それだけに今回のメキシコ遠征で自分のポジションを確固たるものにしたいところ。松本は「自分に要求されているのは決定的な仕事」。W杯メンバー入りへのアピールをするため、そしてそれぞれの自宅に戻っているチームメイトたちを勇気づけるためにもメキシコで結果を残す。

(文 吉田太郎)

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