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病み上がりの長友が先発で好プレー連発。カズから“後継者”として日本を託される

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 風邪でコンディションを崩していた日本代表DF長友佑都(インテル)が先発出場し、前半の45分間プレーした。3-4-3の左MFに入り、39度の熱を出し、前日にようやく復帰したとは思えないプレーを披露。被災者に想いを届けようと奮闘した。

「気持ちだけで今日はやった。気持ちだけでも届くようにと思って。メッセージは届かないかもしれないけど、想いは届くようにとプレーしました」

 開始から積極的にサイドを駆け上がった。「3-4-3はすごいやりやすかったところもありました。サイドで優位を作れるから、僕らサイドは本当にやりやすい。どんどん出て行けるので」の言葉通りのプレーを見せた。前半9分にはオーバーラップし、1対1の仕掛けからクロスを入れた。同11分には中村憲剛のパスをカットしドリブル突破。再び中へクロスを入れた。同20分には左から中に切れ込んで、DF中澤佑二を交わしてシュート。いずれもゴールにはつながらなかったが、さすがは“世界のインテル”というプレーを見せた。

 試合後には、うれしい出来事があった。前日練習後、「(Jリーグ選抜は)カズさんとか俊輔さんとか、日本サッカーを引っ張ってきた人たちばかり。これからの日本のサッカーを僕らに任せられるぞと思われるようなプレーをしたい」と意気込んでいたが、被災者へのメッセージバナーを掲げて場内を一周し、ピッチを後にしようとした際、カズに肩を組まれて話しかけられた。

「お前たちに任せられるよ、と言ってくれた。それが嬉しかったです」

 まさにキングから後継者に指名された形。身の引き締まる思いがした。常々、日本サッカーを自分たちの若い世代が引っ張りたいと話しているが、今まで以上に、日本を背負って戦う気持ちが強くなった。その第一弾が4月2日(日本時間3日)のミラノダービーとなる。勝ち点は2差で、勝てば首位に躍り出る大一番。イタリアの地で活躍し、日本に明るい話題を届けるつもりだ。

[写真]先発出場の長友

(取材・文 近藤安弘)

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