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主力欠場を若手が救う、ピクシー「強いグランパスをみんなで見せた」

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[4.19 ACL第4節 FCソウル0-2名古屋 ソウル]

 もともとMFダニルソンにMFブルザノビッチが不在だったうえ、FW玉田圭司も離脱中。この日はさらにFWケネディにMF中村直志も怪我で欠場した名古屋グランパス。それでも、敵地でFCソウルを下し暫定首位に立った。試合後のテレビインタビューでストイコビッチ監督は「みなさんは3、4人の主力選手を欠いたので、難しい試合になるだろうと思われたと思いますが、きょうはグランパスのスピリットというか、我々が持っているものをしっかりと出してくれた。強いグランパスというものをみんなで見せることができた」と選手たちを称えた。

 苦しい台所事情を救ったのは若きアタッカーたちだった。「FCソウルはとても良いチームですし、良い監督もいますので、その相手に勝てるように全力で頑張りたいです」。前日の公式会見で、こう決意を語っていたMF金崎夢生が貴重な先制点を決めた。

 前半26分、この日プロ初先発したMF吉田眞紀人のスルーパスに、MF小川佳純がPA内右で走り込んでシュート。そのこぼれ球を左サイドから攻め入ってきたテクニシャンが鋭く反応した。体勢を崩しながらもきっちりと押し込んでゲットゴール。前節のアルアイン(UAE)戦(瑞穂陸)の2得点に続く連弾で、玉田&ケネディの不在の中、しっかりと仕事をしてみせた。

 敵地で勝利を決定づける貴重な追加点を奪ったのは、ケネディに代わって1トップを務めたFW永井謙佑だ。後半37分、相手Dfラインのバックパスのミスを見逃さず、快足を活かしてカットすると、そのままGKを交わして左足でゴール。4月6日のFCソウル戦(瑞穂陸)以来、2試合ぶりの今季公式戦2得点目。この時間帯、FCソウルが押せ押せで、名古屋守備陣は苦しんでいただけに、流れを変えるデカイ一発となった。

 終わってみれば2-0の勝利。プロ初先発で先制点の起点となった吉田は18歳で、永井は22歳。そして実は金崎もまだ22歳だ。若きアタッカーがチームを助けた。名古屋はこの勝利で勝ち点を7に伸ばし、FCソウルと並んだが、ACLでは直接対決の結果が最優先されるため、名古屋が暫定首位に立った。日本時間20日未明に終わるアルアイン-杭州緑城で、杭州緑城が引き分け以下なら、名古屋は“完全首位”となる。

 ACL初戦のホーム・杭州緑城(中国)戦に敗れ、続くホームのFCソウル戦に引き分けと、苦しいスタートだった名古屋だが、FCソウルの独走を止めて完全に息を吹き返したといえる。次節は5月4日で、ホームに杭州緑城を迎えるが、このときは怪我で離脱している主力数選手も復帰する見通し。指揮官は「前に向けて良い光明が差してきた。勝ち点3によって、前に進める」と意気込んだ。この勢いで必ず2位以内を決め、最低目標の決勝トーナメント進出を果たす。

[写真]名古屋ストイコビッチ監督

(文 近藤安弘)

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