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大宮は攻め込みながらも黒星、エース「サッカーはとても難しい」

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[4.23 J1第7節 大宮0-1柏 NACK]

 大宮アルディージャにとっては悔やまれる今季初黒星だった。「サッカーはとても難しい。なぜなら、いいプレーをしても勝つとは限らないから。ポゼッションしてチャンスを作ったが、ゴールできずに負けてしまった。特に前半はよかったが……」。エースFWラファエルが振り返った通り、トータルで見ると、試合内容は大宮が上回っていた。

 前半から標榜しているプレッシングサッカーがはまり、柏を苦しめた。FW李天秀やMF渡部大輔ら前線が積極的な守備を見せ、MF上田康太のパス、そしてMF東慶悟の突破が光り、押し込んだ。シュート本数を見ても大宮は11本で柏は6本。前半だけを比べても8本と2本で完全に主導権を握っていたが、ゴールが遠かった。

 後半、柏はシステムを4-4-2(4-2-2-2)から4-3-3(4-2-3-1気味)に変更してきたが、これに戸惑った。上田は「前からのプレスがかからなくなった。中盤で自由にやらせてしまった」という。そして後半の早い時間、同10分に先制点を献上した。これで持ち味の攻守のバランスが崩れた。上田は「1点取られてムキになってしまった。前線は(ボールを前から)追うし、後ろはラインを上げられない。中盤でスペースができてしまった」と嘆いた。

「相手がシステムを変えてきて、どう来るのかを探るために、1回、引いて(守って)もよかった。同じように前からプレスに行ってしまった。失点した後の戦い方を冷静にやれればよかった。しっかりボールを回して、落ち着いてやれれば」とはDF深谷友基。対応策がないわけではなかった。うまく試合をコントロールできていたら……。前線と中盤、そしてDFラインと、うまく意思疎通が図れなかったようだ。

 この日、中盤の選手は攻撃的MFの東が20歳で、同じく渡部が22歳、ダブルボランチも青木が21歳で、上田ですら24歳だった。ありきたりな表現となるが、若さが出てしまったとも考えられる。くしくも、精神的支柱で明確な指示が出せるベテラン、開幕・鹿島戦は先発だったMF藤本主税が失点後の後半30分からの登場だった。藤本は「90分間、支配し続けることは難しい。命令を待つだけではだめ」とゲームメイクに注文を付けた。

 開幕・鹿島戦には3-3で引き分けており、これで1分1敗。内容が良いだけに、早く勝ち点3が欲しいところだ。ラファエルは「このようなやり方を続けていけば、もっと良くなる」と問題なしを強調。鈴木淳監督も「残念ながらゴールを奪えなかったが、今シーズンずっと言ってきてることが徐々にできるようになってきている。ボールも非常に動くようになってきた」と前向きだ。次戦29日は敵地で神戸と対戦するが、今度こそ、内容も結果も手に入れるつもりだ。

(取材・文 近藤安弘)

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