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[総体]静岡学園は屈辱的な敗戦、欠場の伊東主将「どこにも負けないチームになる」

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平成23年度全国高校総合体育大会「2011熱戦再来 北東北総体」サッカー競技(秋田)
[8.3 全国高校総体決勝 桐蔭学園2-1静岡学園 八橋運動公園陸上競技場]

 苦しみぬいて勝ち上がってきた静岡学園に待っていたのは、屈辱的な敗戦だった。結果は試合終盤まで競っての1点差負け。ただ川口修監督が「学園らしいサッカーができなかった。中盤がボールに行けない、入らない。これだけ回されるのはね・・・・・・」と話していたように、ドリブルとショートパスで相手を崩して、崩して勝つ本来の静学サッカーにはほど遠い出来だった。

 前半12分、右ショートコーナーからU-17日本代表候補MF渡辺隼が左足シュートをゴールへ突き刺す。先制した後もボールをキープし、主導権を握る時間があった。ただ、PK戦にまでもつれ込んだ大阪桐蔭との準々決勝、そして後半ロスタイムの決勝ゴールで流通経済大柏を下した準決勝と激戦の続いた影響があったか、常に一歩目で相手の後手を踏み、また自らのお株を奪うかのような相手のドリブルとショートパスによる攻撃に振り回されて運動量を削られていってしまった。加えてミスを連発して敵陣で攻撃したのは数えるほど。結局、シュートは渡辺が放った1本だけと悔しい敗戦となってしまった。渡辺は「相手がプレッシャーをかけてくるのが嫌になるくらい回せるようにならないといけない」と自分たちのサッカーをより磨くことを誓っていた。

 ただ、今大会はJ注目のSB伊東幸敏主将、MF長谷川竜也、MF秋山一輝の3選手がいずれも怪我で欠場。3本柱を欠いた中だったが、それでも木本恭生望月大知のCBコンビを中心に粘り強い戦いを見せて決勝まで勝ち進んだ。主力不在の中で選手権日本一の滝川二などを倒し、6試合を戦った経験は間違いなく今後につながるはずだ。試合後に不在だった責任を感じてか、いずれも悔し涙を見せていた3選手が合流した際は楽しみなチームになりそう。伊東主将は「選手権までに3人揃って、どこにも負けないチームをつくって借りを返したい。今回はらしいサッカーはできなかったけれどディフェンスの強さを見せてくれた。ただ盛り上げるヤツもいなくて、決勝は疲れてそこから頑張る雰囲気がなかった。自分が加わることで、もっとプレーと声で示したい」。総体で初優勝する夢はかなわなかった。だが、主力3人と総体を経て成長した選手たちが融合する高円宮杯プレミアリーグ、そして高校選手権で「本当の静学」の姿を披露する。

(取材・文 吉田太郎)

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