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[予選]クラセン準優勝の神戸U-18、社会人にPK負け:兵庫

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[8・7 天皇杯兵庫県予選準決勝 三洋電機洲本0-0(PK4-2)神戸U-18 三木総合]

 第91回天皇杯全日本サッカー選手権大会兵庫県代表決定戦を兼ねた第14回(平成23年度)兵庫県サッカー選手権大会準決勝が7日、三木市の三木総合防災陸上競技場で行われ、第1試合では関西サッカーリーグ1部の三洋電機洲本と日本クラブユース選手権準優勝のヴィッセル神戸U-18が対戦。0-0からのPK戦を4-2で制した三洋電機洲本が28日に関西学院大と戦う決勝へ進出した。

「天皇杯出場は目標でした」。U-17W杯日本代表で主将を務めた神戸U-18CB岩波拓也が悔しさをにじみ出しながら口にした。0-0でもつれ込んだPK戦。神戸U-18は3人目のMF前田凌佑のシュートが三洋電機洲本GK浅野裕也(前・履正社FC)にキャッチされ、4人目のU-18日本代表候補MF廣田隆治のシュートがゴール右ポストを叩いてしまう。3-2から相手の5人目、DF友定晃大(前・滝川二高)のシュートがゴール左に決まり、天皇杯予選敗退の決まった瞬間、神戸U-18の選手たちは肩を落として悔しがった。

 三洋電機洲本の酒池俊雄コーチが「試合の入りから行けていた。集中して動けていた」と語ったように、三洋電機洲本の好守が光った試合だった。ただ試合の主導権を握っていたのは神戸U-18だった。自陣からボールをテンポよくつないで相手のプレッシャーをかわした神戸U-18は、岩波の正確なキックや鋭い反転から一気に相手をかわすMF松村亮、最もボールに触り縦横へボールを展開していた前田らが局面で攻撃をスピードアップ。関西リーグで戦う試合巧者・三洋電機洲本に楔のパスを狙われ、相手の逆を取るドリブルで脅威となっていたMF村上歩夢(前・神戸国際大)やMF沈大紀(前・阪南大)にカウンターからシュートにまで持ち込まれる場面もあったが、それでも後半は決定機を量産する。

 まずは3分、オーバーラップした岩波のラストパスに前田が飛び込み、23分にはFW内田祐介のシュートのこぼれ球を松村がポスト直撃のヘディングシュート。この後にも岩波や松村の決定的なシュートがゴールを襲う場面もあった。正確なパスワークに加えて廣田や松村のドリブルも相手守備網に穴を開けた。だが、野田知監督が「(準優勝に終わった)クラセンでは最後のスルーパスやクロスの精度が足りなかった。ゴール前での技術もそうだし、精度、アイディアを高めていかなければいけない」と語ったように、この日チームはPAで最後のパスを通すことができず。シュートの正確性を欠いた。しっかりとボールをつないで相手を走らせ、消耗させるサッカーをしていた神戸U-18だったが、ゴール前での課題が改めて出てしまう結果になり、勝利を逃した。

「チームに有効なプレーをすることができなかった。1対1とかW杯で見つけた課題は1年じゃ克服することができない。小さなことからコツコツ続けていくこと」と自身のさらなる成長の必要性を口にした岩波は「チームもレベルを上げて、もっと責任持ってやらないといけない。まだらしくないプレーがあるので責任を持ってやること」と今後の成長を誓っていた。

 野田監督は「もう一度ヴェルディとやりたい」とクラブユース選手権決勝で敗れた東京Vユースとの再戦を期待。目標のひとつに挙げていた天皇杯出場は残念な形でかなわなかったが、チームはプリンスリーグ関西で自信をつけて、冬のJユースカップでもう一度日本一に挑戦する。

(取材・文 吉田太郎)

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