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4分で逆転!!ケネディ2発で名古屋が2位浮上、川崎Fは6連敗でワースト記録更新

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[8.24 J1第23節 川崎F1-2名古屋 等々力]

 J1第23節は24日、各地で9試合を行い、等々力陸上競技場では川崎フロンターレ名古屋グランパスが対戦した。川崎Fは後半21分にMF楠神順平の今季初ゴールで先制したが、名古屋は同30分にFWケネディのPKで追い付くと、同33分にもケネディがヘディングシュートを決め、2-1の逆転勝利を飾った。3試合ぶりの勝ち点3を手にし、今季初の連敗を免れた名古屋は2位に浮上。一方、川崎Fは悪夢の6連敗となり、クラブワースト記録を更新した。

 5連敗中の川崎FはDF實藤友紀が出場停止のため大卒ルーキーのDF田中雄大がプロ初出場初先発。それ以外は前節のG大阪戦(3-6)と同じメンバーだった。
 前節の仙台戦(0-1)で17試合ぶりの黒星を喫した名古屋はDF阿部翔平、MF中村直志、MFブルザノビッチが2試合ぶりに先発復帰。中村とMFダニルソンがダブルボランチを組み、右にFW玉田圭司、左に小川佳純、FWケネディとブルザノビッチが縦関係の2トップを組む4-4-2で臨んだ。
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 試合は静かな立ち上がりとなった。川崎Fは前半5分、FWジュニーニョのスルーパスからFW矢島卓郎がPA内右サイドに抜け出すが、シュートは角度がなく、外側のサイドネット。名古屋も前半12分、阿部のアーリークロスからブルザノビッチがヘディングで狙ったが、シュートはDFに当たった。

 その後は互いになかなかチャンスをつくれず、こう着状態に入る。名古屋は前半26分、DF田中隼磨の右クロスを玉田がヘディングシュート。同27分には阿部のクロスを小川が頭で落とし、ブルザノビッチがPA外から狙ったが、DF菊地光将が体を張ってブロックした。

 川崎Fは前半30分、オーバーラップした田中雄が左足でミドルシュート。同32分にもMF山瀬功治のラストパスからジュニーニョが左足ミドルを狙ったが、なかなか決定機をつくれない。

 徐々に敵陣深くでチャンスをつくる名古屋は前半38分、ロングフィードをPA内で胸トラップしたDF田中マルクス闘莉王が角度のない位置から左足で狙うが、シュートはゴールライン上で菊地が何とかクリア。同43分には右サイドで粘ったケネディのパスをブルザノビッチが落とし、中村がシュートを打ったが、GKの好セーブに阻まれた。

 前半を0-0で折り返すと、後半最初の決定機も名古屋がつかんだ。後半7分、カウンターからブルザノビッチがドリブルで持ち上がり、左サイドの小川に預ける。小川は逆サイドのケネディに展開すると、ケネディの右クロスに再び小川が左足ボレー。決定的な形だったが、シュートはゴール上に大きく外れた。

 均衡が破れたのは後半21分だった。川崎FはPA手前でボールをキープしたMF中村憲剛からのラストパスを受けたMF楠神順平がPA内左で仕掛ける。鋭い切り返しで田中隼を振り切ると、左足でゴールに流し込んだ。今季初ゴールで先制点を奪った楠神はベンチ前に走っていき、チームメイトと喜びを分かち合っていたが、左足を抑えてベンチ前で倒れ込んでしまう。得点直後にまさかの負傷交代を余儀なくされ、流れは再び名古屋に傾いていく。

 名古屋は後半26分、中村と玉田に代えてMF藤本淳吾とFW永井謙佑を投入。同時に2人を交代し、勝負に出ると、この采配がずばり当たった。同29分、右サイドで仕掛けた永井がゴールライン際から折り返し、ケネディがヒールパス。走り込んだブルザノビッチがシュートを打つと、ゴール前に滑り込んでブロックしようとしたDF田中裕介の右手に当たったとして扇谷健司主審は名古屋のPKを取ったうえで田中裕にレッドカードを提示した。

 このPKをケネディが落ち着いてゴール左に蹴り込み、1-1。さらに数的優位に立った名古屋が一気にたたみかけた。同点から3分後の後半33分、ブルザノビッチのスルーパスから左サイドを抜け出した藤本がクロス。ケネディが打点の高いヘディングシュートを叩き込み、あっという間に逆転に成功した。

 10人の川崎Fは終盤の反撃も実らず、泥沼の6連敗。得点ランキングでトップに立つケネディが今季通算13得点とする2発を決め、名古屋が2-1の逆転勝利を飾り、順位も2位に上げた。

(取材・文 西山紘平)

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