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[なでしこ]苦しみながらも初戦白星、佐々木監督「まずはいいスタートが切れた」

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[9.1 ロンドン五輪女子アジア最終予選 日本3-0タイ 中国・済南]

 若手主体で臨んだ一戦は連携不足を露呈しながらも、DF田中明日菜(INAC神戸)の代表戦初ゴールなどで3-0で勝利した。内容は満足いくものではなかったが、佐々木則夫監督は「きょうの目標は勝ち点3をとること。その目標を達成してくれ、次に向けてまずはいいスタートが切れた」と前を向いた。アジアでの過酷な連戦。まずは初戦で勝利できたことが何よりもの収穫だ。

 この日の日本女子代表は、連戦を見据えてMF澤穂希ら主力選手を温存。中盤では、女子W杯ではベンチスタートだった選手を多数先発に起用した。澤とMF阪口夢穂に代わり、宇津木瑠美と田中がダブルボランチを組んだ。2列目には右に高瀬愛実、左にはDF登録の上尾野辺めぐみを配置した。フレッシュな選手たちの果敢なプレーに期待がかかったが、なかなか中盤から前線へ効果的なパスをつなげず。ショートパスなどで相手を崩す場面はみられなかった。攻め手を欠くと、DF鮫島彩らの攻撃参加に頼るしかなく、前半を0-0で終えた。

 しかし、後半からMF宮間あやを投入すると攻撃が活性化。宮間の動きに触発されるかのように、前線の選手たちが積極的に前へ仕掛けてチャンスをつくった。先制点の場面では、ボランチの上尾辺が冷静にパスを送り、川澄のシュートをアシスト。2点目では宮間のCKに田中が合わせて、右足シュート。自身初の代表ゴールを決めた。開幕戦故の堅さもあり、試合に慣れるまで時間がかかったが、これまで先発ではなかった選手たちが結果を残し、勝ち点3を手に入れた。前半の内容には課題を残したが、世界女王として、選手層の高さを見せつけた格好となった。

 指揮官は「初戦の難しさもあり、ドイツW杯のメンバーで臨んでいたとしても、前半は同じ結果になっていただろう」とコメント。立ち上がりの悪いリズムを自ら断ち切り、一気に流れを引き寄せることができるのが世界女王・なでしこジャパンの実力ともいえる。とはいえ、中1日で迎える次戦は力をつけてきている韓国女子代表、その次にはW杯ドイツ大会でベスト8のオーストラリア代表との対戦が控えている。今回のようにスロースタートな試合をしていると、足元をすくわれかねない。だからこそ宮間は「自分自身も決められるシーンがあったが、チームとして決めきれるようにしていきたい」と3発勝利にも貪欲に意気込んだ。なでしこジャパンが難しさのある初戦で、きっちりと白星を手に入れ、3大会連続4度目の五輪出場へスタートを切った。

[写真]代表戦初ゴールを決めた田中(左)と勝利を喜ぶ澤

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