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高校時代のチームメート大前との対戦へ、中里「4年間でオレの方が試合数はこなしてると思う」

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 横浜FC入団が内定した流通経済大のユニバーシアード代表MF中里崇宏(4年=流通経済大柏高)がプロ入りへ向けて意欲をみせた。「これまでは試合に出ているのが当たり前という感覚があった。でもJに行ったら厳しい環境になると思う。それでも試合に出続けていけるように頑張りたい」。高校時代から常に、その世代の“トップチーム”に所属してきたMFが貪欲に意気込んだ。

 流通経済大柏高3年時には高円宮杯全日本ユース選手権、全国高校選手権で日本一に輝き、関東大学リーグの名門・流通経済大に入学。大学入学後はU-22日本代表のMF山村和也やDF比嘉祐介とともに、攻守に渡ってはチームを支えた。所属先での活躍を認められ、関東選抜や全日本大学にも選出されると、今年の8月に行われたユニバーシアード競技大会では同代表メンバーの一員として、世界一のタイトル獲得に大きく貢献した。

 満を持して臨むJリーグの舞台では、高校時代のチームメイトであるFW大前元紀(清水)と対戦相手として再会する可能性もある。かつてのチームメイトとの対戦については「点を取られたら怖いし、高校のときに同じチームで沢山点を取る姿を見て来たから。敵として対戦するのは嫌ですね」と話す一方で、大学の4年間を経て、「大前に勝ってるとも負けてるとも思ってない。でも、この4年間でリーグは違うけど、オレの方が試合数はこなしてると思うから。そういった意味で4年間で成長できてると思う」とキッパリ話した。

 流通経済大はJクラブとの練習試合を多く行うため「プロとの試合が多かったし、そこでプレスのスピードも味わうことができた。だから大学に来て本当に良かった」と言う。大学リーグで多くの試合数をこなしながらも、練習試合ではプロチームの厳しさも体感。心身ともに4年間で大きく鍛えられた。また流通経済大は、基本的に1、2年生が寮生活を過ごし、上級生はアパートやマンションで生活するが、チームリーダーの一人として信頼されている中里は下級生とともに寮生活。下級生の面倒を見ながら、山村らから「本当に真面目」と称されるほど、私生活からケジメをつけて大学生活を送ってきた。そのキャプテンシーと人一倍の練習をこなす中里は、良き兄貴分として下級生からの信頼も熱い。

 具体的な目標については「まずは8試合に出場すること。それとカズさんにアシストしたいですね」と“キング”へのアシストを熱望。また意識している選手としては横浜FCのMF高地系治の名前を挙げ、「同じ左利きでボールの扱いも上手く、たくさんのチャンスをつくるチャンスメーカーなので見習いたい」と話した。冗談を交えながら饒舌に話す普段の姿とは裏腹に、サッカーに対して誰よりもひたむきに向き合ってきた中里。Jの舞台での飛躍に期待がかかる。

(取材・文 片岡涼)

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