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逆転に次ぐ逆転、名古屋が大宮を振り切り2連勝

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[10.22 J1第30節 大宮2-3名古屋 NACK]

 J1第30節は22日、各地で6試合を行い、NACK5スタジアム大宮では14位大宮アルディージャと3位名古屋グランパスが対戦。激しい点の取り合いの末、名古屋が3-2で競り勝ち、2連勝を飾った。名古屋は前半3分、DF田中マルクス闘莉王のゴールで先制。大宮も後半19分にMF東慶悟、同21分にFWラファエルの連続ゴールで逆転したが、名古屋は後半32分にFW玉田圭司のゴールで追い付き、同39分、FWケネディのPKで再逆転した。

 大宮は浦和との残留争い直接対決を制した前節の埼玉ダービー(1-0)と同じ先発メンバーで臨んだ。
 名古屋はMFダニルソンが出場停止のため、MF吉村圭司が4月24日の浦和戦(0-3)以来、28試合ぶりに先発した。それ以外は前節のG大阪戦(4-1)と同じメンバーだったが、システムは4-3-3から4-4-2に変更。吉村とMF中村直志がダブルボランチを組み、右サイドにMF藤本淳吾、左サイドにMF小川佳純。前線はFWケネディとFW玉田圭司の2トップだった。
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 試合はいきなり動いた。名古屋は前半3分、右サイドでボールをキープした玉田が倒されてFKを獲得。藤本のキックにケネディの背後からDF田中マルクス闘莉王がヘディングで合わせ、幸先良く先制に成功した。

 開始早々にビハインドを負った大宮も反撃に出る。前半5分、MF青木拓矢、MF東慶悟、FWラファエルとつないで右サイドへ展開。しかし、DF杉山新の右クロスに走り込んだ青木はわずかに合わず、同13分にも杉山の右クロスにラファエルが頭で合わせたが、シュートは枠を外れた。

 前半16分には大宮が決定機を迎える。右クロスから中央のラファエルがヘディングシュート。しかし、ここはゴールライン上にいたDF増川隆洋が右足で蹴り出し、何とかクリアした。追加点を狙う名古屋もチャンスをつくる。前半21分、藤本の右クロスにファーサイドのケネディが頭で合わせると、同26分には左サイドをえぐったDF阿部翔平の折り返しをフリーの小川がフィニッシュ。決定的な形だったが、左足のシュートは大きく上に浮いた。

 大宮は前半37分、DF金英權の左クロスに飛び込んだMF橋本早十がヘディングで合わせるが、惜しくもゴールポストを直撃。同38分、東の右足ミドルもGKの好セーブに阻まれた。互いに攻め合う激しい展開。名古屋は前半39分、小川のスルーパスから玉田がGKと1対1を迎えるが、右足のシュートはわずかにゴール左へ。大宮も前半終了間際、左サイドを突破したラファエルのシュートをGKが弾き、こぼれ球に橋本が詰めたが、左足のシュートは枠を捉え切れなかった。

 名古屋の1点リードで折り返した後半最初の決定機も名古屋がつくる。後半9分、カウンターから中村が中央をドリブルでフリーで駆け上がり、右足で強烈なミドルシュート。クロスバーを叩いた跳ね返りにケネディが詰めたが、左足のシュートはGK北野貴之が至近距離でセーブした。

 大宮は後半12分、杉山に代えてFW李天秀を投入。MF渡邉大剛が右SBにポジションを下げ、李が右MFに入った。攻撃的な布陣に変更し、同点ゴールを目指す大宮。後半17分には玉田の直接FKがクロスバーを直撃し、ヒヤリとさせられたが、連続ゴールで一気に試合をひっくり返した。

 後半19分、高い位置でケネディからボールを奪い、ショートカウンターを仕掛けると、ラファエルのラストパスから東が右足トゥーキック。技ありのシュートをゴール右隅にねじ込み、1-1の同点に追い付いた。さらに2分後の同21分、李が右サイドから折り返したボールに橋本が飛び込むと、右足をかすめて逆サイドまで流れてきたボールをラファエルが左足で押し込み、2-1。3分間で2得点を奪い、あっという間に逆転した。

 名古屋は後半25分、吉村と小川に代えてFW永井謙佑、MF金崎夢生を投入。永井は右サイド、金崎が左サイドに入り、中村と藤本のダブルボランチに変更した。大宮は同29分、MF上田康太に代えてMF金澤慎を投入。中盤の守備力を高め、逃げ切り態勢に入りたかったが、同31分には前がかりになったところをカウンターからピンチを迎える。金崎のパスからケネディが狙った右足ミドルは枠を捉え切れなかったが、名古屋は同32分、GK楢崎正剛のロングキックからケネディが頭でつなぎ、最後はこぼれ球を玉田が左足で蹴り込み、2-2の同点に追い付いた。

 これで再び流れが名古屋に傾く。後半36分、玉田の右クロスからゴール前で競り合ったケネディがDF深谷友基に倒され、PKを獲得。ケネディのキックは一度はやり直しとなったが、2度目のPKも落ち着いてゴール右に蹴り込み、名古屋が後半39分、3-2と再逆転に成功した。

 後半41分には玉田に代えてDF千代反田充をピッチに送り込み、守備を固めた名古屋。そのまま3-2で逃げ切り、勝ち点3を獲得した。この日は柏、G大阪という他の上位勢も勝ったため、順位は3位のまま変わらなかったが、首位・柏を勝ち点3差でぴったり追走し、残りはいよいよ4試合となった。

(取材・文 西山紘平)

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