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浦和・柏木がピッチ内外で“アシスト”。「監督、表情が硬いよ!」

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[10.22 J1第30節 横浜FM1-2浦和 日産ス]
 浦和レッズのMF柏木陽介がピッチ内外で“アシスト”し、リーグ戦9試合ぶりの白星に貢献した。まずはピッチ内だ。1-1の後半16分、浦和は右サイドでファールを受けてFKを得たが、柏木が素早いリスタートで前方に走り込んだMF梅崎司にパス。これが功を奏して3対2の数的優位が作れ、梅崎は両サイドを走っていたFWエスクデロ・セルヒオとMF原口元気をおとりにドリブルし、左足で逆転弾を決めた。
「ああいうのをやりたかったです。今まではああいう場面で、みんなの距離が離れてて出来なかった。今日は近かったので、すぐにパスが出せた。あれは俺の理想ですね」と柏木はニンマリ。広島時代は相手の意表をつくプレーを得意としていたが、浦和に来てからは、なかなか思うようにできていなかったという。この日は、新戦術の採用がプラスに働き、選手同士が近い距離でプレーできたために実現できた。
 試合前にも“アシスト”があった。試合前に、試合会場でミーティングを行った。ペトロヴィッチ監督が20日に電撃解任され、わずか2日間の準備期間で堀孝史新監督を迎えたが、チーム内にはどこか気負いや硬さが感じられた。MF山田直輝によると「堀さんが今日の試合、一番緊張して臨んでいた。ユースの時には見たことがないような緊張した顔もあった」という。そんな空気を察した柏木がミーティング中に“ツッコミ”を入れた。
「監督、表情が硬いよ!」
 これで笑いが生まれ、明るい雰囲気になった。山田直によると「陽介くんの気遣いで和みました」という。実際の試合で、この気遣いがどこまで影響したかは測れないが、間違いなく、選手も堀新監督もリラックスできたことは、想像に難しくない。ムードメーカの真骨頂が発揮されたと言っていい。
「後ろの啓太さん(鈴木)と直輝とでいい関係でやれた。自分は直輝が動いたら、その穴を埋めながらプレーした。直輝が動きすぎるから、その穴を埋めるのがしんどかったけど(笑)」と柏木。今まではボランチが主戦場だったが、この日は4-1-4-1の2列目中央と、最も得意とするポジションでプレー。前線と2列目のリンクマンとして本領を発揮した。厳しい戦いは続くが、これからも司令塔として牽引する。
(取材・文 近藤安弘)

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