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“悪夢の4分間”で退場した山田直、次戦リーグ磐田戦が出場停止に

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[10.29 ナビスコ杯決勝 浦和0-1(延長)鹿島 国立]

 表彰台で笑顔を見せる鹿島イレブンが霞んでいった。涙があふれて止まらない。チームに、サポーターに申し訳ない気持ちでいっぱいになった。トップ下で先発し、優勝に貢献することが期待された浦和レッズのU-22日本代表MF山田直輝だが、悪夢の決勝戦となった。

「チームに申し訳ない気持ちです。前半を守り切って『よし、行くぞ』というときに、自分が退場してしまった。悔しいです」

 まさに“魔の4分間”だった。0-0で迎えた後半2分、山田直は鹿島DF新井場徹を倒して1枚目のイエローカードを受けた。その3分後の同5分、自陣右サイドで、今度はDF青木剛をスライディングで倒してしまい、2枚目のイエローカードで退場……。タッチライン際で、両手を合わせて祈るようにして退いた山田直は「みんなに任せるしかなかった。ごめんとしか言いようがなかった」。

 しかし、キーマン不在となった浦和は防戦一方になった。結果的に鹿島も後半35分に青木が退場して10対10となったが、チームは0-1で敗戦。なおかつ自身は、11月3日のリーグ・磐田戦の出場停止が決まった。リーグは現在15位でJ2降格の危機を迎えている。残り4試合、すべてが大一番となるが、リーグ戦でもチームに迷惑をかけることになった。

「相手の優勝をしっかりと見届けておけよ」。表彰式の際、主将のMF鈴木啓太に、こう言われたという山田直は「みんなに『ごめんなさい』と声をかけたけど、誰一人、僕を責める人はいなかった。今日、反省しないといけないのは僕だけ。ここからもっと上手くなりたい」と声を振り絞った。この悔しさを忘れず、チームの勝利に貢献するしかない。

(取材・文 近藤安弘)

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