beacon

浦和が事実上のJ1残留決める、明日の甲府の結果次第で確定へ

このエントリーをはてなブックマークに追加
[11.26 J1第33節 福岡1-2浦和 レベスタ]

 浦和レッズがJ1残留を決定付けた。福岡に2-1の逆転勝ちで3試合ぶりの勝利を飾ると、勝ち点を36に伸ばし、16位甲府との勝ち点差を暫定で「6」に広げた。明日、新潟と対戦する甲府が引き分け以下に終われば、最終節を残して浦和の残留が確定。甲府が勝って勝ち点3差となっても、現時点で得失点差に「17」の差があるため(浦和が-5、甲府は-22)、たとえ最終節で甲府が勝って浦和が負けた場合も得失点差で浦和の圧倒的優位は変わらず、事実上のJ1残留が決まった。

「まだ(残留は)100%ではないけど、間違いなく大きな1勝」。堀孝史監督は、残留をほぼ手中におさめる勝利に安堵の表情を見せた。10月にペトロヴィッチ前監督の後を継ぎ、4試合で勝ち点7を積み上げた。「足をつっている選手もいたが、気持ちを出してやってくれた」。短期間でチームを立て直し、J1残留という“任務”をほぼ完遂させた。

 すでにJ2降格が決まっている福岡との一戦。簡単な試合ではなかった。前半4分にはMF柏木陽介のサイドチェンジがDF田中佑昌にインターセプトされ、ピンチを招く。MF成岡翔のクロスに合わせたFW高橋泰のヘディングシュートは枠を外れ、救われた格好の浦和。同6分にはDF平川忠亮の縦パスに反応したFWエスクデロ・セルヒオがPA内右でボールをキープ。DFのマークをかわしてマイナスに折り返すと、MFマルシオ・リシャルデスが右足で狙ったが、ゴール上に浮いてしまった。

 徐々に押し返す浦和だったが、前半25分、アクシデントに襲われる。マルシオのスルーパスに抜け出したエスクデロがGK神山竜一と交錯した際に負傷。担架で運び出されると、そのまま交代を余儀なくされた。前線で起点となっていたエスクデロが退き、流れは福岡に傾いていく。すると前半32分に失点。大事な先制点を奪われ、1点ビハインドとなった。

 それでも、前半終了間際の同点弾が流れを引き戻した。前半ロスタイム、平川の右クロスをエスクデロに代わって途中出場したFW田中達也がダイビングヘッド。DFに当たったこぼれ球を柏木が左足で狙うと、シュートはDFに当たってコースが変わり、ゴールマウスに吸い込まれた。

 いい時間帯の同点ゴールで1-1の同点に追い付き、後半に折り返すと、浦和が勝ち越しゴールを目指して攻勢を強めていく。すると後半17分、柏木のスルーパスに抜け出したMF梅崎司がPA内でMF末吉隼也に倒され、PKを獲得。末吉は一発退場となった。マルシオのPKは一度は蹴り直しとなったが、2度目のキックも落ち着いて流し込み、2-1。数的優位に立った残り時間で追加点こそ奪うことはできなかったが、1点のリードを守り抜き、逆転勝利で価値ある勝ち点3を手にした。

「レッズに来て、今までで一番価値のある1点だったと思う」。値千金の同点弾を決めた柏木は胸を張る。「本当に今年1年苦しい思いをして、応援してくれる人に申し訳ない気持ちでいっぱいだったけど、最後の最後に自分のゴールを勝利に結び付けることができてうれしい」。事実上のJ1残留を決め、12月3日の最終節ではホームに首位・柏を迎える。目の前で胴上げさせるわけにはいかない。堀監督は「選手も(ロッカールームに)帰ってきて『優勝は決めさせない』と話していた」と話し、柏木も「あと1試合残っている。ホームなので、勝利をサポーターと一緒に分かち合いたい」と、柏の優勝を阻む勝利を誓っていた。

TOP