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[クラブW杯]スアソが不在も、モンテレイがエスペランスに逆転勝ちで5位

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[12.14 クラブW杯5位決定戦 モンテレイ3-2エスペランス 豊田ス]

 FIFAクラブワールドカップ2011は14日、豊田スタジアムで5位決定戦を行い、北中米カリブ海王者のモンテレイ(メキシコ)とアフリカ王者のエスペランス・スポルティーブ・ド・チュニス(チュニジア)が対戦した。テクニックvs身体能力の図式となった一戦は、モンテレイが3-2の逆転勝ちで5位となった。モンテレイはチリ代表FWウンベルト・スアソが欠場したが、代役が奮闘し大会初白星をつかんだ。

 モンテレイは11日の柏戦では先発だつたチリ代表FWウンベルト・スアソがベンチ外に。また元アルゼンチン代表FWセサル・デルガドがベンチスタートだった。システムは変則的な4-4-2で、スアソが不在の前線にはFWアルド・デニグリスが今大会初先発した。対するエスペランスは司令塔の背番号「10」がベンチスタートだった。システムは4-3-3で、最前線には高い身体能力とスピードが武器のFWヤニック・ヌジェングが構えた。

 モンテレイは120分間を戦った柏戦の疲れがあるのか、本来の素早いパスワークが見られなかった。一方のエスペランスも、モチベーションの低下なのか、11日のアルサッド戦のような縦に速い攻撃が展開できなかった。そんな中、モンテレイは前半29分、主将のルイス・ペレスに代えてDFミゲル・モラーレスを送り出した。モンテレイは少しゲームプランが崩れた。

 共にゴール前での迫力欠き、会場には少しまったりした空気が漂ったが、前半31分にエスペランスのエースが目の覚めるような先制点を決めた。最終ラインから縦パスが放り込まれると、ヌジェングが競り勝ってボールをおさめ、一気にドリブル突進。モンテレイDFヒラム・ミエルが対応したが、スピードを活かして抜き去り、PA内に突進して右足一閃。アフリカ人選手らしい迫力満点のプレーだった。

 しかし、これでモンテレイの目が覚めた。すぐさま同点、そして逆転とした。前半39分、左サイドでショートCKからクロスを入れると、モンテレイ選手がヘディングシュート。これは防がれたが、跳ね返りをFWセルヒオ・サンターナがヘディングで押し込んだ。不運にも、これもクロスバーを叩いしてしまったが、こぼれ球をヒラム・ミエルがボレーで叩き込み同点とした。ミエルは先程の失点をカバーするゴールとなった。

 そして前半44分、スアソ代わって先発したデニグリスが背番号「9」にふさわしいゴールを決めた。左CKのチャンスで、ニアに走り込みながら頭を合わせて2-1逆転ゴールを突き刺した。モンテレイがセットプレーのチャンスをきっちり活かし、前半を2-1で折り返すことに成功した。

 後半は共にメンバー変更なくスタートした。開始2分、モンテレイが追加点を奪った。右サイドからの浮き球クロスをデニグリスがヘディングで折り返し、MFヘスス・サバラがヘディングシュート。しっかりと空いたスペースに突き刺し、3-1とリードを広げた。エスペランスは同4分、右クロスから主将のDFハリル・チャマムがスライディングしながら惜しいシュートを放ったが、このプレーで足を負傷。同9分にFWハレド・アヤリと急きょ交代となった。

 何とか1点を返したいエスペランス。後半11分、エースが見せた。右サイドに開いて縦パスを受けると、ドリブル突進でPA右へ。素早い切り返しでDFを抜き去り、右足シュートを放った。惜しくも右のサイドネットに当ててしまったが、改めて体のバネを感じさせるプレーを見せた。

 その後、モンテレイがパスワークで相手をいなしながらボールをつないだが、後半30分にミスから1点を返された。PA内で、モンテレイ選手の突破をDFヒラム・ミエルがファウルで倒してしまいPKを献上した。これをエスペランスFWハレド・ムエリがきっちりと決めて1点差に詰め寄った。直後の同32分、エスペランスは選手交代。FWワジディ・ブアジに代えて司令塔のMFウサマ・ダラギを送り出した。

 エスペランスはこの交代がさっそく効果を発揮した。後半36分、ダラギがPA右を進入しクロス。飛び込んだヌジェングは合わせられなかったが、DFのクリアボールを拾ったムエリがシュート。惜しくも相手に防がれたが、リズムをもたらした。モンテレイは同42分、守備を固めるべく、FWセルヒオ・サンターナに代えてDFセベロ・メサを送り出した。

 エスペランスはその後、前線に構えるエースのヌジェングにボールを集めたが、なかなか仕掛けることができなかった。モンテレイはボールを回しながら時間を使う。ロスタイムは3分。エスペランスは運動量の落ちたモンテレイ守備陣に襲いかかったが、試合はそのまま終了。モンテレイが3-2勝利で5位をつかんだ。

(取材・文 近藤安弘)

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