beacon

「タイトルを取ります」川崎F・相馬監督が優勝宣言

このエントリーをはてなブックマークに追加

「昨年は『タイトルを目指します』と言ったと思う。でも今年は強い気持ちを表したい。『タイトルを取ります』」。川崎フロンターレ相馬直樹監督は22日の新体制発表会見(昭和音楽大学テアトロ・ジーリオ・ショウワ)で優勝宣言して会場に集まったサポーターたちからの大きな、大きな拍手と喝采を浴びた。

 昨シーズンは05年のJ1復帰後最悪の11位。この優勝宣言からサポーターの拍手までの間にやや間があり、指揮官も「ちょっとした間が、ちょっと気になりますけど・・・・・・。」と苦笑いしていた。確かに二桁順位、またクラブワーストの8連敗を喫した後に迎える新シーズン。09年の5位、またはACLを現実的な目標に掲げたほうがいいのではないか、という思いがあったことは相馬監督自身も認める。ただ06、08、09年にリーグ2位となっているチームは今年、優勝するだけの戦力が揃ったと信じている。指揮官は「十分な戦力、タイトルを取るに十分な選手があると思う。そして何よりも素晴らしいサポーターの力を合わせてタイトルというものを取ることができると思っている」と言い切った。

 初タイトルに再チャレンジするシーズンのスローガンは「一体感」だ。相馬監督は「一体となって進むことが非常に大事になると思います。思い返すと昨シーズンも勝ちがたくさんあった6月くらいはそういう一体感、チームが燃える、サポーターが一体になって燃える、そういうゲームができていたと思う。ただ残念ながら昨シーズンはそれが続かなかった。そして(最後まで)もう一度そういう姿を見せられることができなかった。今季は(選手)30名、そしてサポーターの皆さんとタイトルを信じて、燃えるようなゲームをしたい。ぜひ、そういうゲームをたくさんして、シーズンの最後まで一体となって一体感のあるフロンターレにしたいと思っている」と誓った。

 昨シーズンはリーグ7位の52得点で、53失点はJ2へ降格した3クラブに次ぐ多さだった。一方でシュート数は499でリーグトップ。また被シュート数はリーグ3番目の少なさだった。それでもチームは2桁順位に沈んでしまった。優位に試合を進めながら勝ちきれなかった。庄子春男GMが「得点力アップと粘り強い守備」と課題克服を目指してきた戦力補強。相手のストロングポイントを消す選手としてブラジル国内屈指のDFジェシ、天皇杯で京都の決勝進出に貢献したDF森下俊を、また身体能力が高く守備のマルチプレーヤーでもあるMFレネ・サントス、そして守護神候補として経験豊富なGK西部洋平を獲得し、攻撃面では「どんな相手でもゴールをこじ開けられる選手」(庄子GM)として新10番のFWレナト、C大阪時代の07年、08年にJ2で2年連続2桁得点を記録しているFW小松塁が加入した。相馬監督は「昨シーズン、課題となったところを埋めるだけじゃなく、プラスになる選手が来てくれたと思っている」と手ごたえ。長らくエースとして活躍してきたFWジュニーニョらが退団したものの、それを感じさせないシーズンにする自信がある。

 2年目を迎える相馬監督体制も攻撃サッカーを貫く。昨年は運動量の落ちた夏場に苦しむ結果となったが、相馬監督は「フロンターレは点を取って上にいくチーム」と口にし、再び攻撃で相手を上回る考えを明かした。今年のシーズンオフからホームスタジアムの等々力陸上競技場のメインスタンドの改修工事がスタートする。相馬監督と同じく優勝宣言をした武田信平社長は「この慣れ親しんだ競技場で戦うのは今年が最後になります。この競技場へのお礼をこめて、思う存分戦いたいと思う」。昨年はやや少なかった等々力での歓喜を増やして初Vへ。新体制会見の最後に登場したMF中村憲剛は「昨年の悔しい思いを誰も忘れていません。一体感を持って頑張りましょう」とサポーターに呼びかけた。復活を誓う川崎Fは、今年こそ初タイトルをチーム、サポーター一体となって祝う。

(取材・文 吉田太郎)</
▼関連リンク
2012年Jリーグ移籍情報

TOP