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川崎F会見盛り上げた高卒ルーキー田中「エゴの強い強烈な点取り屋、パウロです」

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 22日に行われた川崎フロンターレの新体制発表会見を最も盛り上げたのが、前日21日に大阪桐蔭高(大阪)を卒業したばかりのFW田中淳一だった。会見の挨拶では新加入選手の一番目にマイクを持ち、「川崎フロンターレ、めっちゃ大好きや!」と第一声。これで会場に集まったサポーターたちの心をつかむと「大阪桐蔭から来ました『エゴの強い強烈な点取り屋』、パウロです。こんな皆さんの前でしゃべれるだけでホンマうれしいです。これから楽しく頑張っていきたいので、よろしくお願いします」とまくし立て、一気に会場のボルテージを高めた。 

 パウロとは田中の愛称で、由来は同じ田中姓の元日本代表DF田中マルクス闘莉王の父、パウロさんだという。テレビの影響と風貌、プレースタイルを含めて「外人っぽい」ということで名づけられた愛称。プロ入りを決める数か月前の昨夏、チームを8強へ導いた全国高校総体ではチームメートはおろか、関西地区の他校の生徒までが彼のことを「パウロ」と呼んでいたほど愛称は広まっていたが、プレーもインパクト十分だ。

 タッチライン際からでも平然と打ち込んでくる豪快な左足ミドル。そしてDFに前に入られても野生的な動きで強引に網を破る突破とフィジカルの強さについては、春先の時点で川崎Fの強化担当が「間違いなくJへ行く素材」と高い評価を与えていたほどだ。高校選手権こそ大阪府大会決勝で敗れて出場を逃したが、高校世代屈指の実力を備えている。

 高校時代はエゴの強さを十分に感じさせるプレーをしてきたが、一方で「チームの勝利に貢献したい」とも忘れずに口にしていた。この日、川崎Fのサポーターたちも「パウロ」のコールを連呼するなど、その名を印象付けた田中。今度はピッチで、等々力で「ゴールに近いところでの貪欲さ、点に絡むプレーが自分のポイント」という武器で自らの存在をサポーターたちに印象付ける。

(取材・文 吉田太郎)
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