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[デンチャレ]関東選抜Aが東北選抜に4発勝利、富山や六平らがゴール

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 来月、宮崎県で行われる第26回デンソーカップチャレンジサッカー宮崎大会(デンチャレ)に出場する関東選抜Aチームが11日、茨城県内で始動した。この日は東北地区大学選抜チームと練習試合を行い、FW富山貴光(早稲田大3年=矢板中央高)らのゴールで4-0の勝利を収めた。

 今回のデンチャレに出場する全日本大学選抜は、2013年のユニバーシアード競技大会を目指すメンバーでの編成されているため、新3年生が中心。そのため、新4年生で構成された関東選抜Aに昨年のユニバーシアード代表メンバー及び、大学サッカー2012年シーズンのタレントが顔を揃えた。

 あくまで3月に行われるデンチャレだけのために招集されたメンバー。約1か月しか活動期間はなく、チームとしてのモチベーションを高めるのも難しい。だからこそ、試合前のミーティングで大平正軌監督(流通経済大)は「昨年の全日本大学選抜もほとんど関東のメンバーだった。みんなが全日本選抜のつもりで、そのくらいのつもりでやって欲しい」とチームを鼓舞。大会での目標についても「優勝はノルマ。優勝して当たり前でしょ、というくらいで選手たちには話しました」という。

 そして迎えた初の実戦。この日はFW瀬沼優司(筑波大3年=桐光学園高)が授業の関係で不在だったものの、富山やMF六平光成(中央大3年=前橋育英高)ら実力者20名が出場した。前半は4-4-2の布陣でスタート。前線では富山とFW山本大貴(2年=ルーテル学院高)が2トップを務めた。立ち上がりは、なかなかシュートまで持ち込めず。逆に東北選抜に押し込まれる時間が続く。

 前半8分には中央から崩しにかかり、PA内右から富山がシュートを放つも、ポスト左へ外れた。同15分には富山のパスに抜け出したMF三田啓貴(明治大3年=F東京U-18)が右クロス。DFのクリアに山本が詰めたがGKに弾かれた。中盤でタメがつくれず、攻撃は単発に終わり、シュートまでいくことができない。それでも前半23分に富山がPA外右から鮮やかな右足シュートを沈めて先制。関東選抜Aが少ないチャンスをものにし、1-0とリードを奪った。徐々にリズムをつくると右サイドからチャンスを演出。DF田中優毅(日本体育大3年=四日市中央高)が右サイドをえぐり、クロスを入れる。惜しくもGKに阻まれた。1-0のままに前半を終えた。

 後半にはメンバーを大きく入れ替える。右からMF天野純(順天堂大2年=横浜FMユース)、阪野、MF原田開(順天堂大2年=湘南)が3トップを務め、トップ下には六平が入った。後半は右SB今井智基(中央大3年=大宮ユース)が積極的に攻撃参加。幾度もチャンスに絡んでみせた。

 まずは後半8分、今井のパスを受けた阪野がPA右から切れ込み、圧巻の右足シュート。2-0と差を広げた。同28分にはゴール前で粘ったMF佐藤優平(国士舘大3年=横浜FMユース)からボールを受けた六平がシュートを放つ。GKに弾かれながらもボールはゴールネットへ吸い込まれた。シュートが決まる直前に、前へ詰めていた原田と阪野がボールに触れたとして、一時はオフサイドかと思われたが、主審の判定は六平のゴール。3-0とダメを押した。さらに同41分には天野がPA右から冷静に右足ループ。4-0と試合を決定づけた。

 この日の関東選抜Aは右サイドを起点にし、左サイドはおもに守備に回った。これについて大平監督は「右サイドには上がるタイプの選手を置いて崩していく。その分、左サイドは堅めな感じの選手を置いた。右サイドを起点に攻めていくチームにしたい」と狙い通りだったことを説明。しかし、右SBが果敢に上がってくるため、所属先では中央からサイドへ流れるなどして、ゲームをつくるのを持ち味としている三田などは、なかなか自分らしさを見せられず。思うようなプレーができなかった。これについて指揮官は「これからそういう部分が成熟していけば、おもしろいチームになると思う」と期待を込めた。

 試合は関東選抜Aが4-0で勝利し、立ち上げから初の実戦で上々のスタートを切った。今後は18日にJクラブとの練習試合を予定。24日には全日本大学選抜、関東選抜Bと練習試合を戦う。

(取材・文 片岡涼)

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