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史上最年少ゴールのチャンスも、18歳久保「試合に出るイメージは常に持っている」

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 1日1日が成長への糧になっている。3日目を迎えた日本代表合宿。18歳の現役高校生にしてA代表初選出となったFW久保裕也(京都)は必死に先輩たちのあとを追っている。

「雰囲気には慣れたけど、プレーのスピードはまだ全然付いていけない気がする。判断もすごい速いし、最後のゲーム(ハーフコートでの紅白戦)も2タッチの制限の中でミスなく上手くやっていた」

 昨季、2種登録ながらJ2で30試合に出場し、10得点を記録。天皇杯でも準決勝、決勝と2戦連発ゴールを決めた期待のストライカーだが、フル代表での経験は刺激の連続だ。

「自分の良さはあまり出せてないけど、最初に比べたら緊張もしていない方。見ているだけでもすごいし、いろんなことを吸収できる。いいことしかないと思う」

 久保は今秋に開催されるAFC U-19選手権に出場するU-19日本代表のエース。16年のリオデジャネイロ五輪を目指す世代であり、2段階の“飛び級招集”は将来性を見込んでのものだ。アルベルト・ザッケローニ監督は「最大の目的は、近くで彼らを見ること。代表の雰囲気を感じさせ、将来に向けて期待していることを感じさせたい」と話し、24日のアイスランド戦(長居)での起用には消極的な姿勢を見せている。

 とはいえ、練習で4-2-3-1の1トップに入ってプレーしているのはFW前田遼一(磐田)と久保だけ。前田の先発は確実だが、FW金園英学(磐田)が負傷離脱したこともあり、手薄なストライカーの枠で途中出場する可能性は十分にある。

 久保がアイスランド戦に出場すれば、18歳62日でのA代表デビューとなり、98年4月1日の韓国戦に17歳322日で出場した当時・清水ユースのDF市川大祐(現・水戸)に次ぐ史上2番目の年少記録。さらにゴールとなれば、金田喜稔氏の持つ最年少得点記録(19歳119日)も大幅に更新する。

「試合に出るイメージは常に持っている。たとえ出られなくても、いい経験になっているので大丈夫」。昨年の天皇杯準決勝・横浜FM戦では延長前半14分からの出場で延長後半11分に決勝点を決めた18歳の若武者は、たとえわずかな時間であろうとも、虎視眈々とチャンスを狙っている。

(取材・文 西山紘平)

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