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[インタビュー]俊輔がプレースタイルの変貌を決意。“モリシ俊輔”でタイトル獲得を目指す!

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 『モリシ俊輔』となり、今年こそタイトル獲得へ! cl横浜F・マリノスの元日本代表MF中村俊輔がゲキサカのインタビューに応じ、今シーズンの飛躍を誓った。チームは樋口靖洋新監督の下、これまで以上に攻撃的なサッカーを展開し、タイトル獲得、ACL出場を目指すが、大黒柱は、今年で34歳となるキャプテンの俊輔であることは間違いない。司令塔もチームが目指す攻撃サッカーのキーマンになるべく、プレースタイルを変えることを決意。日本代表の先輩であるMF森島寛晃氏を理想に、ニュー俊輔へと変貌し、ゴール&アシストを目指す。


―12年シーズンの開幕が少しずつ迫って来ました。1月に高校選手権の応援に来られた際には、今オフは休みなく体を動かされているという話をされていましたが、入念な自主トレを積まれたんですね。
「いや、別に痛めつけるほどはしてないですけね。一昨年とかはエスパニョールで試合に出られなくて、移籍せざるを得なくなって、W杯も近くなって、マリノスに帰ってくることになった。それからW杯があって、1年半ぐらい休みがなかったんです。海外に行った年と帰った年って休みがないんですよ、欧州移籍した選手は。オフがなかった分、すごいストレスもあったし。だからその分(去年のオフは)1か月くらい何もしなかった。家族と旅行したりして。でも11年シーズンは結構、1か月を2回くらいケガで休んでしまった。それもあって今年はオフにそんなに休みたいという感じはしなかったんです。だからその分、オフには体は動かしてました。リフレッシュは大事ですけど、今年はそんなに休みたいと思わなかったですね」

―去年は久々に日本代表がない1年だったと思うんですが、違いを感じた点は?
「そうですね。代表に入ってないと、こんなにも休みがあるのかと。まあ、うれしいですけどね。その分、年齢もいってますし、自分のコンディションの維持には時間が費やせたかなと思います」

―新シーズンに向けて気持ちが高ぶっている? 監督も変わって心機一転の思いが強い?
「うーん、メンバーもそんな変わってないですからね。だから去年のイメージプラスで何をしたら強くなるのかを考えています。和司さんも最後やめられるとき言ってましたけど、やりたいサッカーと違ってでも勝ち点を稼がないといけなかった。セットプレー重視とか、守って速攻とか、そういう試合をどうしてもやらざるを得なくて結果的に5位で終われたというか、5位で終わってしまったというか……。シーズン前半は首位にいましたけど、残りの半分は勝ったり負けたりだったんで。それをよく戦えたと思うかですけど、やはり前半首位にいたということを考えると、反省しなきゃいけないと思います」

―『やりたいサッカー』というおっしゃいました。より攻撃的、魅せるサッカーにこだわるのかなと思うのですが、樋口靖洋新監督からは何か指導なり、話なりはありましたか?
「(最初の)ミーティングでコンセプトというかイメージを聞きました。僕らの去年のいいシーン、この場面をっていうシーンを引き抜いて説明がありました。守備面でも攻撃面でも。去年はシステムを変えたりして、なんとか勝ち点を稼いだ時期もありましたけど、その辺を明確にして、『ここからの守備はこうしろ』とかいう説明でした。結構選手レベルで話してくれましたね。相手が(ボールを)取りに来たら少し引いてとか。共通意識をはっきりさせるということでしたね」

―その中で、プレーにおける中村選手の役割っていうのは変わってきたりするんですか?
「いや、基本的には変わらないと思いますよ」

―精神的な面、若手の指導役という面でも期待されていると思います。
「そうですね。でも、いろいろギャップはありますね。僕が自らスイッチ入れて走ったとしても、それを見て若い子は『俊さんはああやってやったから、樋口監督は褒めたんだ』で終わっちゃう。そういうのを見て感じ取って『僕もああやってやろう』とかそういう風にならないんです。そういうのは悩むようになりましたね。言った方がいいのか……と。僕らの世代だったら上の人からそんなの自分で考えろよって言われていた。自分で出来ないヤツは1年でクビになってたんで、だから愛の手を差しのべて声をかけるのか……。そこら辺は、今年どうしようかなって思ってます。樋口監督は僕が中学生の時から知ってくれてます。去年もコーチと選手という立場でしたけど、よりコミュニケーションをとって、自分も含めて若い子をどうするかという話だったり、キャプテンとしてだけじゃなく1選手として、人として接したい。監督ってどういうこと考えてるのかなだったりね。僕もいつか監督やりたいんで」

―去年からキャプテンに就任してみて、キャプテンという立場はどういう印象ですか?
「ん~、(キャプテンは)小学校以来でしたけど、いろいろキャプテン像っていうのはあると思います。僕の思うキャプテン像っていうのは、井原(正巳)さんとか(宮本)恒さんタイプっていう思いがあったんです。でも海外に行ったら、その2人みたいなタイプの選手がキャプテンをしていないんですね。(どういう人かというと)結構、熱い人。チームにもよりましたけど、そういう人がなってたんで。だから(熱い部分は)自分にはない部分なんですよね。だから正直、何ができるかっていったら、グラウンドでいつもいいプレーをしてチームを引っ張るだとか、味方を勇気づけたいなと思ってますね。自分たちが優位に立つというか、『強いんだ』っていうメンタルにさせる。マラドーナみたいな感じ。肩でリフティングしたりとか(笑)。それがいいという訳ではないけど、あっちのチームにはマラドーナがいると思うと味方も勇気づくと思うし」

―ということは、ガミガミは言わないけど、今までよりは声を出し、そして、それ以上にプレーで存在感を示す?
「そうですね。さらにプレーで魅せれないととは思ってます。去年は得点も多くなかったし。アシストも……10点分は絶対に外してるし、FWの方々が(笑)。あとはチームとして自分がもっと前に行ってFWと絡んで、抜け出して、3人目(が飛び出す)みたいな動きがほしいですね。(理想は)森島(寛晃)さんみたいな。あとは(中田)ヒデさんだったり、(小野)伸二だったり、名波(浩)さんだったり。でもモリシさんの動きって、前から言ってるけど、1.5列目ってホントにあの人のことを言うと思う。代表の時ベンチでモリシさんばっかり見てたんですよ。少し今年で楽しみなのはFWマルキーニョスが入ったことによって、彼が前でボールを持てたり、相手を背負ってプレーした時に共通理解、同じイメージを持ってプレー出来るんじゃないか、という部分ですね」

―今年はゴール数にこだわる?
「ミーティングでもあったんですけど、優勝チームは(得点が)65点でウチは46点。つまり20点の差があるので、もう少し点を取りましょうという話になった。でもリスクを冒して点を取りに行くんじゃなくて、しっかり守備もできるっていうことを全員で突き詰める。すごい選手がいるわけじゃないんで。そういう意味で共通意識とか連動とかしないとだめだと思います」

―森島さんの動きを取り入れたら中村選手の新しいスタイルが見える?
「そうですね。監督も言ってましたけど、今回のコンセプト、『見てて楽しいサッカー』、『チームの一体感と躍動感』というのを見せたい。(お客さんが)選手一人を見に来たいと思うんじゃなくて、あの人とあの人がどんなプレーをするか、コンビネーションするかとか。強いチームにはスタイルがある。京都なんかは前半戦パスばっかつないで点を取られたけど、だんだんそれが良くなっていって。ウチも(天皇杯で)負けましたし。だから1つのものに突き進む時間っていうのがあってもいいのかなっていうのはあります。去年はそれが怖くて、守って速攻みたいな(スタイルで)。最初鹿島戦で勝っちゃったから。それはそれで良い引き出しができたとは思うんですが……」

―ところで、今年からユニフォームがアディダス社製に変わります。中村選手は、スパイクもずっとアディダス社製を愛用してますよね。
「僕はずっとアディダスと契約してるんで。プロ入った時、マリノスはアディダスだったんですが、海外で所属したクラブは、ほかのメーカーでした。やっとまたアディダスが着れる。代表では着てましたけど、やはり落ち着きますね。アディダスが好きですから。まあようやく元に戻ったっていう感じですね」

―チームとしては目標がいろいろあると思うんですが、個人的に、プレースタイルのお話以外で目指していることはありますか?
「危機感の維持ですね。いつも持ってるんですけど、これを切らさないことですかね。それと質問とはズレるかもしれませんが、自分は、うまくいっていると思っている時でも、なんか味方との連動がうまくいかない時のストレスっていうのがあるんですね。そうするとプレーの質も落ちる。今度それが自分に振りかかってきて、イライラしながらプレーすると下手になるっていうか、質が落ちる。そういう風にならないようにしたい。難しいですけどね、そこは。あとはボンバー(中澤佑二)の存在はデカいですね。どっちが先に落ちるかみたいな(笑)。やっぱり、『あれ、ちょっと昔より落ちたな』って思われたくないし。落ちる所は落ちるけど、それはそれで認めてどういう風にカバーできるか。一段階段を踏み外したらガタガタと落ちちゃうんで」

―横浜FCの三浦知良選手は、年齢を増すことで伸びた部分があり、若い時のようなスピードがなくなっても、それをカバーすることはできるからプラスマイナス0になる、というような話をされたことがありますが、中村選手も今年で34歳。20代前半の頃と比べて『新境地』のようなものは見えてきましたか?
「(若い時より)全体が見えるようになりましたね。自分のプレーだけじゃなく、ほかの選手にアドバイスを送ったりして。ほかにはゲームの流れを読めるようになった分、自分の持っているプレーのチョイスが間違いにくくなりました。目に見えるもではないけど。例えば去年、仙台戦で自分のセンタリングから谷口が得点を奪った場面でも、昔だったら(センタリングを上げる前に)左に持ち替えるためにボランチに1度下げていたんですが、ペナルティーエリアの角だったんでそのまま右でセンタリングを上げたのがあって。状況とプレーの切り替えっていうのは、昔よりは体が反応するようになりました。単純に乳酸がたまりやすくなったり、疲れが抜けにくくなったりはしてますけど、そういう部分で伸びてっていうのが、カズさんの言う『±0』なんじゃないですかね」

―個人的な数字の目標、何点取りたいとかありますか?
「数字にこだわりますね(苦笑)。でも2ケタかな」

―チームとしてはもちろん優勝が目標?
「もちろんそうだけど、現実をしっかりと見ないといけないとも思います。優勝は簡単なことじゃないので。とはいえ、南アフリカW杯で岡田(武史)さんが『ベスト4』って言って、最初はみんなポカンとなった。でもだんだんみんながベスト4になるためには、って考え出して。何て言うんだろうな。岡田さんは最初に度肝を抜かせておいて、だんだん近くのことを言う。『それに付いてこれないんだったらベスト4は届かないよ』っていう。ベスト4って誰も行ったことないからわからないし。どれだけ強いかなんてわかんなかったし。だから少しづつなじませていくっていうか。でも、だからと言って、いきなり自分が『優勝』ってやっちゃうとみんなポカンとしちゃうかもしれないですね。若い子とかはイメージできないかもしれない。そういう意味では(柏の)ネルシーニョ監督なんかはうまかったんだと思いますよ。うちの社長も言ってましたけど”再チャレンジ”ですね」

―最後にマリノスファンにメッセージをお願いします。
「ユニフォームもアディダスに戻りましたし、この胸の白いカモメたちのようにいいプレーをして羽ばたきます! ぜひ、みなさんスタジアムに足を運んでいただいて、応援してもらえればと思います」


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