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F東京デビューの河野 「声援に感謝したい」

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[3.3 富士ゼロックススーパー杯 柏2-1F東京 国立]

 1-2の1点ビハインドで迎えた後半40分、FC東京ポポヴィッチ監督が切り札としてピッチに投入したのはMF河野広貴だった。ライバルクラブである東京Vの下部組織で育った、切れ味鋭いドリブルを武器とする21歳が交代のためにタッチライン際に立つと、F東京のゴール裏からは大きな歓声があがった。

「声援や拍手は本当にうれしかった。F東京のファンは優しい。『東京Vから来た選手なんていらないよ』とか言われるかと思ったから、ホッとしました」

 ピッチに立ってから、何とか得意の右サイドでボールを呼び込もうとした。しかし、FW渡邉千真やDF椋原健太の動きと河野の使いたいエリアが重なってしまい、持ち味のドリブルを見せる場面はほとんどなかった。

「もう少し早く(試合に)出してくれるかなと思ったのですが、残り時間も短くて残念でした。自分がやりたいプレーとやらなければいけないプレーが違うため、まだ自分らしさを出せていません。でも、試合に出るためには、まずやらなければいけないプレーをやっていく。周囲との連係もまだまだだし、お互いの特徴をもっと理解したい。もう少し時間があれば、良くなると思います」

 チームにフィットすれば、河野のドリブルはF東京のパスサッカーの中でも強烈なアクセントになるはず。そのためにも実戦を経験しながら、周囲との連係を高めていきたいところだ。MF梶山陽平やFWルーカスら、この日の試合に出場した選手たちのうち数名が、6日に行われるACLブリスベン戦のオーストラリア遠征メンバーから外れた。だが、小柄なドリブラーは遠征メンバーに名を連ねている。「(遠征メンバーに)入っていますから。ギリギリ」と、いたずらっぽく笑って、最後にこう言った。

「今日はあの時間の起用で、『ここでドリブルをすると、次のチャンスをもらえないかな』とか考えたりしちゃった。次はもっと仕掛けますよ」

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