beacon

3大会ぶりのアジア予選突破へ!U-19日本代表候補が12年初練習!!

このエントリーをはてなブックマークに追加

 今秋、2013年のU-20W杯出場を懸けたAFC U-19選手権を戦うU-19日本代表候補が12日午前、千葉県内で今年初めてとなる練習を行い、アジア予選へ向けてスタートした。札幌のCB奈良竜樹と横浜FCユースFW木下康介の合宿不参加が決まり、高校の卒業式のためにこの日合流予定のGK杉本大地とMF原川力(ともに京都)も不在。25名で行われたトレーニングは前日にJ2でフル出場したDF遠藤航(湘南)とMF廣田隆治(岐阜)をはじめ、DF川口尚紀(新潟ユース)、DF岩波拓也(神戸U-18)、DF犬飼智也(清水)、MF田鍋陵太(名古屋)、MF和泉竜司(市立船橋高→明治大)、MF野津田岳人(広島ユース)、FW白崎凌兵(清水)の9選手が前日に各チームなどで出場した試合の疲労を考慮されて別メニューだったが、残りの選手たちは練習予定時間を越えるほど徹底して連係向上に取り組んだ。

 6分の1コートほどのグリッドの周りを6選手が囲み、グリッドの中に入ったボランチ役の2選手を交えて相手6選手のプレッシャーをかわしてつなぐメニューでは、MF熊谷アンドリュー(横浜FM)とMF水野泰輔(名古屋)が正確な技術と連係のよさを活かしてマークを外し、フリーの選手たちへパスをつないでいく。その後行われたフォーメーション練習ではSBを交えた攻撃の形を繰り返し確認。攻守の切り替えが遅いと吉田靖監督から厳しい声が飛び、またコンビネーションを欠いたプレーが出ると「合うまでいくらでもやるよ!」「飯食わなくてもいいんだよ!」というゲキも飛び出してくるほど徹底してトレーニングが進められた。徐々に自分達からパス交換のタイミングについて意見が出始めると内容が向上。それでもDF役の選手を崩しきれない場面が続いていたが、最後は左MF杉本竜士(東京V)が一瞬のギアチェンジで外側のスペースをつくり出すと、中央で右MF差波優人(青森山田高→明治大)からのパスを受けた熊谷が空いた左サイドへ展開。DF山中亮輔(柏)のクロスボールにFW榊翔太(札幌)が頭から飛び込んでゴールへ押し込み、練習を締めくくった。

 昨年のAFC U-19選手権予選(一次予選)はタイと引き分け、一次予選突破がほぼ決まっていた状況で迎えた韓国戦は0-1で敗れてしまった。吉田監督は一次予選から出た課題として「特に攻撃のところの共通のイメージ作り」と話す。FW久保裕也(京都)ら個々の能力が高いことは間違いないが、予選ではタイ相手に無得点。韓国戦もゴールを奪うことができなかった。それだけにこの日の練習も合格ラインに到達するまで何度も反復。攻撃の柱のひとりであるMF大島僚太(川崎F)は「自分(のアピール)というよりも、初めての人もいるんでそういう人とのイメージの共有をしっかりしたいと思います」と14日の最終日までできる限り連係面を高めることを誓っていた。

 またリーダー格である遠藤が「アジアは厳しい戦い。きょうのミーティングも『アジアを目指す』ということで監督からも話があった。まずはそういう意識付け。11月(予選)という先はありますけど、そこに向けて気持ちを入れていくことが大事だと思います」と引き締めていた。世界を駆けた戦いまでにどれだけ甘さを取り除いて一丸となれるか。12年の初練習を終えた指揮官は「まだまだですね。もっとやらないといけない。自分のチームという意識でやってもらいたい。お客さんではないので。もちろん選手たちが入れ替わる訳ですから難しいところはあるんですけど、チームに帰った時はチームで100パーセント。でもここに来たときはここのチームの一員なんで、その中でチームのために最大限の努力をしてほしい」。アジア予選へ向けたメンバー争いも再スタート。吉田監督の下、16強へ進出した07年以来3大会ぶりとなるU-20W杯を目指すチームは、個々のアピールと同時に全員で徹底して世界レベルのチームへと仕上げていく。

[写真]U-19代表合宿初日から徹底した連係向上のトレーニング。右は差波、左が山中
(取材・文 吉田太郎)

TOP