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「黙ってやりやがって!悔しい思いをしてきたんじゃねぇのかよ!」寡黙なU-19代表候補に指揮官が喝!!

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 13年U-20W杯を目指すU-19日本代表候補は千葉合宿3日目(トレーニング2日目)の13日午後、11対11のゲーム形式やハーフコートでの攻撃練習など2時間弱の練習を行った。U-19代表候補は千葉合宿最終日の14日、流通経済大、千葉とそれぞれ練習試合を行う。

 アジアを突破し、世界を目指す精鋭たちに指揮官から大きな、大きな雷が落ちた。ハーフコートでの攻撃練習中だ。自発的な声が少なく、士気の上がらない練習を止めて選手たちを集めた吉田靖監督は「黙ってやりやがって! 悔しい思いをしてきたんじゃねぇのかよ! やれよ! アジアで勝てねえぞ! 悔しい思いをしたくなかったら、毎試合本番のつもりでやらねぇと。みんなでやるんだよ!」と練習会場中に響き渡る声で選手達を怒鳴りつけた。

 日本は吉田監督が指揮を執った07年U-20W杯でベスト16へ進出したが、過去2大会連続でAFC U-19選手権(U-20W杯アジア予選)準々決勝で韓国に敗れ、U-20W杯出場を逃してきた。また昨秋のAFC U-19選手権予選(U-20W杯アジア1次予選)ではタイと引き分け、韓国に敗れてグループ3位でギリギリの1次予選突破だった。選手はそれぞれが悔しい思いをしてきたはずだが、12年の始動となる今回の合宿では攻守の切り替えの速さを高め、球際での厳しさも見せていたが、一方でなかなか闘志を表現することができていなかった。今年11月のアジア最終予選へ向けてスタートを切るはずが覇気のないように映るチーム。「選手が自分たちでピッチの中でやることなので、選手の中から声が出るとかが一番大切。ここに来たときはここのチームの一員なんで、その中でチームのために最大限の努力をしてほしい」と語っていた指揮官が“静かな練習”に溜まりかねて喝を入れた格好となった。

 FW近藤貫太(愛媛ユース→慶應義塾大)やMF杉本竜士(東京V)らが声で盛り立てるなど、この猛ゲキの後は多少全体で声が出るようになったが、それでもまだ少ない状況。ただ93年の早生まれで一番上の学年に当たるCB遠藤航が「ああいう練習でもしっかりやらないといけない。監督の言っていることが正しいと思います」と反省するなど、それぞれが気を引き締めていた。そして遠藤は「年齢関係なしにみんな声を出していいと思うし、(早生まれの)オレらが全部出せばいいという訳ではない。みんなの意識だと思う。最後の方はだいぶ声が出てきましたけれど、まだ遠慮のある人がいるのかもしれない。みんなの意識を高めていかないといけない」と改善の必要性を口にしていた。

 また高校2年生で最も下の学年であるMF野津田岳人(広島ユース)も「チームの雰囲気とかがあまり良くない。下の代ですけど声を出していかないといけないと感じました」と誓っていた。よりチームとして声を出し合い、良い方向へ運ぶこと。目を覚ましたチームは、合宿最終日の練習試合では声と内容で世界への思いの強さを表現する。

[写真]13日午後のU-19代表候補練習。吉田監督の厳しい声が練習会場に響き渡った
(取材・文 吉田太郎)

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