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埼スタに流れた勝利の凱歌、槙野「僕が決めればもっといい絵が見れる」

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[3.17 J1第2節 浦和1-0柏 埼玉]

 埼玉スタジアムに勝利の凱歌がこだました。浦和レッズがホーム開幕戦で王者・柏を下し、今季初勝利。試合後は選手がメインスタンドに向かってピッチ中央で横一列に肩を組んで並び、サポーターと一緒にチームの公式応援歌である「We Are Diamonds」を歌った。

 浦和では初めて見られる光景。発案者は当然、この男だった。「強引に僕が歌うぞと。無理やりですよね」。今季、ケルンからレンタル移籍で加入したDF槙野智章が白い歯をこぼした。

「今までにない結束という意味で、サポーター、選手、スタッフが一丸となれば、強いレッズが生まれ変わる。同じ時間を過ごすのもいいかなと思って提案した。成功? どの向きでやるのかとか、問題もあったけど、一体感を持てる時間をつくれればと思った。恒例となるようにできればいいですね。歌詞を覚えてない選手もいましたけど、みんな覚えるようにして。僕? 全然覚えてないので、僕自身が覚えないと(笑)」

 ペトロヴィッチ新監督を迎え、槙野、MF阿部勇樹、FWポポら経験ある即戦力を補強した新生レッズ。開幕戦こそ指揮官の古巣である広島に0-1で屈したが、2戦目で結果を残した。阿部が「勝つことが重要だった」と力説すれば、槙野も「広島戦は同じサッカーを目指すチーム同士の試合で、結果も内容もネガティブなものだった。自信を失っている部分もあったけど、いい内容、いい結果が出たのは大きい。開幕戦に出せなかった自分たちらしいサッカーを出せた」と胸を張った。

「今年はゼロからのスタート。強いレッズを再生するために僕自身来たし、ホームでの勝ち点3はいい薬だと思う。でも、監督もそうだけど、1-0の結果はあまり好きじゃない。勝ったけど、まだまだ課題もある」

 大きな1勝は、浦和再建への第一歩。かつての輝きを取り戻すため、槙野のチャレンジはピッチ内でも、ピッチ外でも続いていく。お馴染みのゴールパフォーマンスについて聞かれ、「もちろん考えてます。選手みんなに伝えているし、課題も与えてます。僕が(ゴールを)決めるときにはもっといい『絵』が見れると思いますよ」。槙野流の“改革”が、レッズを蘇らせることができるか。

(取材・文 西山紘平)

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