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神戸のルーキー奥井が先発デビュー、シミュレーションの判定に「そんな技量もないのに…」

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[3.20 ナビスコ杯第1節 鹿島2-0神戸 カシマ]

 早稲田大から今季、ヴィッセル神戸に入団したルーキーのDF奥井諒が右SBで先発し、プロデビューを果たした。「(前日練習で)スタメンで出ると分かってからの練習でミスばっかで……。今日の分までミスしました」と前日は緊張の極限まで達したというが、試合当日を迎えて落ち着きを取り戻し、堂々とプレー。「最悪のプレーではなかったけど、自分の中では全然でした。細かいポジショニングとか状況判断のレベルを上げていかないと」と、プロとして初の実戦で課題という収穫を手にした。

 大学時代はサイドハーフを本職としてきたが、神戸入団が決まったときから「SBをやる可能性が高いと言われていた」という奥井。G大阪ジュニアユース時代やU-17日本代表ではSB経験もあり、「運動量とサイドで1対1になってクロスまで持ち込むところが自分の特長。その質を上げていきたい」とストロングポイントを発揮した。

 前半36分には右サイドをオーバーラップし、対峙するDF2人の間を強引にこじ開けるように突破。足が引っかかり、転倒したように見えたが、松尾一主審は奥井のシミュレーションを取り、イエローカードを受けた。厳しい判定に「デビュー戦だし、そんな(シミュレーションする)技量もないのに……」と苦笑いしたが、「あそこで(DFの)間をえぐれたことで吹っ切れたというか、通用するなと思った。シミュレーションでイエローになったけど、あれくらいいった方がいいなと感じたし、積極的にやろうと思った」と、手応えをつかむプレーになった。

 同じ大卒ルーキーのMF中里崇宏(横浜FC)、MF河井陽介(清水)らすでにリーグ戦でデビューしている“同期”の活躍が刺激になっていたという奥井。ナビスコ杯とはいえ、自身もプロの公式戦で先発デビューを果たし、「高卒と違って、大卒は1年目が勝負。自分自身、成長するためにではなく、結果を出しに来た。課題が出たのも、こうやって試合に出たからこそだと思う。次に生かすために練習からやっていきたいし、課題を修正していきたい」と、決意を新たにしていた。

(取材・文 西山紘平)

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