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清武「真司君が活躍できるのなら、自分も絶対できる」

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 ニュルンベルクへの移籍が発表されたセレッソ大阪のMF清武弘嗣が17日、記者会見を行なった。

 冒頭に「このたび、セレッソからニュルンベルクに移籍が決まりました。とても迷いましたが、チャレンジするということで、移籍しようと思いました。でもまだ1カ月セレッソに残りますし、セレッソのためにしっかり戦いたいと思っているので、よろしくお願いします」と挨拶した。

 そして、これまで応援したサポーターに向けて「移籍にあたって、今年8番を着けさせていただいていながら、あんまり結果も残せていないですし、セレッソに(今シーズン)最後まで残るかというのも今週まで迷っていたんですけれど…。このタイミングで発表して、サポーターの皆さんやスポンサーの皆さんには、本当に裏切った気持ちで、そんな感じで思ってもいます。まずは自分が結果を残していないですし、その中で移籍をするというのは、正直すごく苦しみました。スポンサーやサポーターの皆さんには本当に感謝していますし、これからも応援してほしいなと思ってます」と語っている。

 7月1日からはニュルンベルクの選手となる清武をJリーグで見られるのは、あと1カ月。6月30日の浦和戦がラストマッチとなる予定だ。

 以下、クラブ発表の会見の質疑応答

―移籍にあたって先ほど「迷い」という部分がありましたが、どんなところで一番迷ったのですか?
「そうですね。今年はセレッソ3年目で、中心選手としてスタートし、森島さんや真司君がつけていた8番を着けさせていただいていながら、結果も残していないのに(海外に)行くのはどうかな、というのは自分の中ではずっとありましたし、そういうので迷っていました」

―その中で移籍を決断したその理由と言うのはどういったところにありますか?
「ずっと自分が迷っていて、初めて嫁さんに相談したんですけど、『悪いときもあればいいときもある』って言われて、『チャレンジすることがすごく大事』と初めて自分に意見してくれたんで、それが最終的に決め手だったと思います」

―実際、海外でのプレーとなりますが、海外でプレーしたいと思ったのは、いつ頃からですか?
「僕はあんまり海外意識とか無くて、セレッソに来ても無かったですし、去年の夏ぐらいからそういう話がちょっとずつ出るようになって、そこから意識し始めたというか、ここ1年くらいですかね」

―その中で、元チームメイトの香川(真司)選手だったり、乾(貴士)選手だったり、いろんな一緒でやってきた選手が海外に移籍されましたけれども、そのへんの刺激というのも多少ありましたか?
「真司君があれだけすごい活躍をして、家長(昭博)君も行って、乾君も行って、というのを見てれば、次は僕だなとは自然に思っていました」

―さきほどの話に戻りますが、家族の言葉が最後の後押しになったというところですけれども、ご家族とは今後どう暮らす考えですか?
「たぶん一緒に行くと思いますし、自分がいろいろ迷っていても、家族が不安になるだけですし…。自分がしっかりしないといけないなと思います」

―その中で決断をされたこの時期、ロンドン五輪であったり、W杯のアジア最終予選が控える中、ここで決断するというのは、ご自身どのように考えられましたか?
「本当はもうちょっと結果を残してから発表したかったんですけれど。でも、なんか自分の心の中でモヤモヤしてたんで、これからはちょっとスッキリして、プレーに集中したいなと思います」

―少し先の話になりますが、ニュルンベルクというクラブに移籍するにあたり、まずチームのイメージと言うか、知っている部分をお話しいただければと思います。
「あまり知らないですね。試合は何試合か見てるんですけど、すごく『蹴る』イメージというか、いつもこう(ボールが)中盤の頭の上を越えてるサッカーなんで、まあどうなんだろうと思いますけど。そういう流れを変えるためにも自分が行くんだと思ってますし、だから活躍したいなと思います」

―ドイツリーグ「ブンデスリーガ」というのは、どのようなイメージをお持ちですか?
「あんまり分からないですね。真司君が活躍しているくらいです。真司君が活躍できるのなら、自分も絶対できると思いますし、そのぐらいの自信を持って行きたいなと思います」

―実際ドイツでプレーするとき、自分はどういうプレーをしたい、どういうプレーをしていこうというイメージがありますか?
「攻撃の選手なんで、セレッソでもそうですけど、常にゴールを目指して点に絡めるようなプレーができれば一番じゃないかなと思います」

―海外に行きますけれども、海外で対戦してみたい選手だったり、クラブというのはあったりしますか?
「全然ないです。(憧れだったりとかは?)全然ないです」

―実際にブンデスリーガには、たくさんの日本人選手がいますけれども、そういったところの話などはあったんですか?
「あんまり乾君だとか、真司君とかしか話してないですけど、ドイツはすごく住みやすいと聞いていますし、プレーしやすいっていうのも聞いています。そういう面では、すごく環境はいいのかなと思います」

―実際にそのアドバイスというのは、プレーであったり、生活であったりというのは具体的には何か聞きましたか?
「どうですかね。いや、そこまでは全然詳しくは聞いてないんで…。まあ、たまに話すぐらいで、『日本の方が楽しいよ』とは言っていました」

―家族を一緒に連れて行くというお話ですけども、家族の反応というのはどのように?
「そうですね。むしろ俺より楽しんでるかのような感じです。自分がビビってるだけで、家族は全然。子供は小さいですし、嫁さんは全然気にしてないというか、『楽しみだね』というのは言ってますけど」

―清武選手のご両親含めてというところは、どういったお話があったんですか?
「行かないより行った方がすごい経験になりますし、これからのサッカー人生を考えても海外でプレーするってことはすごく経験になると思うので、そういうチャレンジをしてこいってのは、いつも言われていました」

―ドイツに向けてのそのチャレンジというもくろみと、今後残り少ないかもしれませんがセレッソで戦う試合、両方の思いを教えてください。
「まだセレッソの選手ですし、自分ができることをあと残りの試合はしっかりして、全部勝つつもりでやりたいなと思います。ドイツに行ったら、まだまだわからないことがたくさんありますけど、遠慮せずにガンガン行ければいいなと思います」

―ニュルンベルクだけじゃなくて他のクラブからも関心を持たれいてたと思うんですけど、その中でニュルンベルクに行くことを決断した理由というのは、どこにありますか?
「そうですね。去年の夏ぐらいからずっとニュルンベルグが誘ってくれていましたし、今年もでした。だから一番熱意が伝わったというか、自分はそういうクラブに行きたかったんで。だから、ずっと言ってくれていたニュルンベルクに決めました」

―さきほど奥様にご相談されたとおっしゃってましたけど、いつどういうタイミングで相談しようと考えられたのでしょうか?
「今年あんまり自分のプレーに納得していないですし、最近チームも2連敗していて、この前引き分けましたけど、そういう状況で自分がすごく悩んでいるときに話をしました。そうしたらそういう言葉が返ってきたので、『そうなんやろなあ』と思っています」

―大分トリニータからセレッソに来られて2年半近く、結構濃い期間だったと思うんですけど、改めて振りかえって、清武選手の中でどのような期間になったか教えてください。
「正直、最初セレッソに来る前も来たときも不安でいっぱいだったんですけど、セレッソというチームはすごく若いチームですし、みんな温かくて、みんないい人だったんで、すごくいいチームに入ってよかったなと思います。最初は真司君がいて、乾君がいて、家長君がいて、出られない時期がたくさんありましたけど、その中でもセレッソの選手・サブのみんなが腐らずやっているのを見たら、自分もひとり腐ることはできないなと思いました。だからそういう部分ですごくいい経験になりましたし、自分もこのセレッソですごく強くなれたなと思います」

―セレッソから香川選手だったり、乾選手だったり、家長選手だったりとかが、海外に行っていますが、クラブの海外に行きやすい雰囲気だとか、そういう部分とかはどう思っていますか?
「そうですね。毎年みんなが行っていましたが、正直、自分はすごく迷いましたね。最初は行く気だったんですけど、途中でやっぱりどうしようって思いましたし。真司君、乾君、家長君は、なにかしらチームにとって結果を残して行ってたんで、自分は今年まだ結果を残してないですし、そういう中で行くっていうのはどうなんやろってすごく思っています。みんな結果を残して行ってるけど、自分は残してないんで、そこはあと1カ月で結果を残せるように、がんばろうかなと思います」

―今、自分のプレーで、ドイツで通用するなと思う部分と、あとはここが課題だなと思う部分は、どういうところがありますか?
「あんまりドイツのサッカーはわからないです。(自分の具体的にどういうプレーを出せたらと思いますか?)得点に絡めるプレーができればいいんじゃないかと思います。(よくパスが評価されていますけど?)どうですかね。まあゴールには、こだわりたいなと思います」

―U-23日本代表でオリンピックもありますが、このあたりの兼ね合いはどうなっていますか?
「オリンピックは出られますし、あとはメンバー発表を待つだけです」

―今、海外でプレーしている日本人選手の中には、たとえば香川選手でしたらバルセロナに行きたいとか、本田選手でしたらレアルマドリードに行きたいとか、そういった目標を持っている人もいます。清武選手自身の中で将来的に、たとえばこのリーグ、このチームでプレーしたい、ここまでのぼりつめてみたいという、なにか目標みたいなものはあるのでしょうか」
「ないです。(なぜないのですか?)わからないです。まあ、目の前にあることを一個ずつやれればいいなと思います」

―さきほどニュルンベルクは中盤の頭を越えていくようなサッカーも、という話でしたが、そういうところにわかって行くというのは、その中でも自分の強みが出せるという自信もかなりあると捉えていいのですか?
「どうですかね。自分が入ってつなげればいいと思いますし、別にそういうサッカーも嫌いじゃないです」

―ニュルンベルクの、たとえばテクニカルディレクターだとか、監督からかけられた言葉、期待の言葉などは何かありましたか?
「本当に来てほしいというのはすごく伝わりましたし、自分が入ることでチームを変えられる力があると思うので、そういうのは期待されているなと思います」

―この移籍に関して、チームメイトもしくはセルジオ・ソアレス監督から言葉をかけられたり、話されたことがあれば教えてください。
「まだ監督とは話してはないんですが、チームメイトは新聞にも載っていましたし、いろいろ知っているわけで、祝福してくれました。あとは監督と話せればいいなと思います」

―セレッソに来る前、8年間トリニータで過ごされたと思いますけど、トリニータに対して思うことを今、お話しいただけますか?
「トリニータには自分が中学3年のときに取っていただいて、すごく感謝していますし、高校3年生のときに一年間サッカーしていない中で、トップチームに上げてくれたということは、すごく感謝しています。J2に落ちて自分がチームを離れるということはすごく申し訳なかったと思うんですけど、これからどんな形であれトリニータにもセレッソにも恩返しができればいいなと思います」

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