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DF鮫島が五輪メンバー落選…葛藤明かした高倉監督「なかなか喉を通らないご飯を食べている姿や…」

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DF鮫島彩(大宮アルディージャVENTUS)

 18日、東京五輪に臨む日本女子代表(なでしこジャパン)メンバー18人が発表され、2011年の女子ワールドカップ優勝メンバーのDF鮫島彩(大宮アルディージャVENTUS)が落選となった。高倉麻子監督は18日に行われたメンバー発表会見で、決断の裏にあった葛藤を明かした。

 報道陣の質問に対して「サメ、鮫島選手は……」と慎重に切り出した指揮官は、やや神妙な面持ちで6月の活動に続いて落選となった鮫島への思いを語った。

「私が監督に就任して少し経ってから代表に入ってきて、非常に勉強熱心で、サッカーに対する思いの強さがあり、向上心も非常に強く、さまざまな合宿の中で成長して、いまも成長を続けている選手なんじゃないかと思っている。合宿の中で良いパフォーマンスがあったり、もちろん課題があったりという中で、間違いなく日々、彼女の100%の努力をしてきたと思う」。

 その中で「私自身も最後までなかなか喉を通らないご飯を食べている姿や、一人で怪我の治療をしているサメの後ろ姿を見ていた」とも明かした高倉監督。「こういった大舞台にチャレンジする中でのこの決断は簡単ではなかった」と大きな葛藤があったという。

 その一方、指揮官は「若い選手の勢いや成長を同じように感じている」とした上で「サッカーが進歩している中で、選手に求められる役割が、たとえばディフェンスの選手はディフェンスだけ、オフェンスの選手はオフェンスだけということではなく、総合力が求められている」と指摘。「私自身は日本チームを作るとき、自分たちがボールを持った時にいかに優位にゲームを進めるかというところに重点を置いており、そうして考えた時に今の選手たちということになった」と選考基準を説明した。

「サメだけでなく、他の選手も自分の特徴を精一杯出し、日々勉強する気持ち、素直な気持ち、または葛藤がありながらも合宿中にプレーしている姿は私の中にはずっとある。その選手あってのこの18人、(バックアップメンバーを含めた)22人だと思っている」。

 落選メンバーにそう思いを寄せた指揮官は、葛藤を乗り越えて選んだ18人と臨む本大会に向けて「彼女たちのぶんも背負って、最後まで諦めず、なでしこらしい戦いをしていきたい」と意気込みを語った。

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