「人間の可能性を証明したい」、5人制サッカー日本代表・黒田が“奇跡”のダイレクトボレー決勝弾
[9.2 東京パラリンピック5位決定戦 日本1-0スペイン 青海]
東京パラリンピック最後の試合で、FW黒田智成はスーパーシュートを決めた。前半終了間際、右CKからMF川村怜が浮き球のパス。ファーサイドに詰めた黒田がダイレクトで合わせ、豪快にゴールネットに突き刺した。「イメージが本当にぴったりシンクロした」(黒田)。世界ランク3位のスペインを打ち破る値千金弾となった。
グループリーグ初戦のフランス戦で4-0と快勝した日本だが、その後は強豪国のブラジル、中国に敗れ、準決勝進出はならず。5位決定戦でスペインとの最後の試合に臨んだ。拮抗した展開の中でも、黒田は奮闘。すると、前半終了間際に冒頭のシーンがやってくる。黒田はボールの軌道を追うことはできない。脳内のイメージだけでダイレクトシュートを決め切り、日本に勝利をもたらした。
「怜が浮き球で入れた軌道のイメージと、自分が一瞬の空中の音を聞いた軌道のイメージが本当にぴったりシンクロした。すごくはっきり自分の中でイメージできたので、信じて右足を振り抜きました」
高田敏志監督も「あんなことは誰もできないと思います。僕も蹴れない。黒田も川村も、人間の可能性を証明したいと言ってきたけど、あれをこの場所で出せるって、ものすごく練習しないとできないですよ。それをあそこで決めてしまう。本当に嬉しかったです」と感嘆。黒田自身も「なんだろう、何かが降りてきたのかもしれない」と笑みを浮かべた。
アイマスクで視界が遮断されたブラインドサッカー。黒田は試合後、この競技について「本当にときどきみんなの気持ちがひとつになって、奇跡のような瞬間に出会えることが大きな魅力のひとつだと感じています」と語る。「本当に一つひとつのプレー、一つひとつの瞬間が私にとっては幸せでした。障がい者スポーツ、ブラインドサッカーを通じて、視覚障がい者のことを知ってもらう大きなきっかけになれば本当に嬉しいと思っています」。夢のパラリンピックを追い続けた代表20年目の最古参は、笑顔で大会を終えた。
(取材・文 石川祐介)
●東京パラリンピック 5人制サッカー(ブラインドサッカー)特集ページ
●ブラサカ/障がい者サッカー特集ページ
●日本障がい者サッカー連盟(JIFF)のページはこちら
東京パラリンピック最後の試合で、FW黒田智成はスーパーシュートを決めた。前半終了間際、右CKからMF川村怜が浮き球のパス。ファーサイドに詰めた黒田がダイレクトで合わせ、豪快にゴールネットに突き刺した。「イメージが本当にぴったりシンクロした」(黒田)。世界ランク3位のスペインを打ち破る値千金弾となった。
グループリーグ初戦のフランス戦で4-0と快勝した日本だが、その後は強豪国のブラジル、中国に敗れ、準決勝進出はならず。5位決定戦でスペインとの最後の試合に臨んだ。拮抗した展開の中でも、黒田は奮闘。すると、前半終了間際に冒頭のシーンがやってくる。黒田はボールの軌道を追うことはできない。脳内のイメージだけでダイレクトシュートを決め切り、日本に勝利をもたらした。
「怜が浮き球で入れた軌道のイメージと、自分が一瞬の空中の音を聞いた軌道のイメージが本当にぴったりシンクロした。すごくはっきり自分の中でイメージできたので、信じて右足を振り抜きました」
高田敏志監督も「あんなことは誰もできないと思います。僕も蹴れない。黒田も川村も、人間の可能性を証明したいと言ってきたけど、あれをこの場所で出せるって、ものすごく練習しないとできないですよ。それをあそこで決めてしまう。本当に嬉しかったです」と感嘆。黒田自身も「なんだろう、何かが降りてきたのかもしれない」と笑みを浮かべた。
アイマスクで視界が遮断されたブラインドサッカー。黒田は試合後、この競技について「本当にときどきみんなの気持ちがひとつになって、奇跡のような瞬間に出会えることが大きな魅力のひとつだと感じています」と語る。「本当に一つひとつのプレー、一つひとつの瞬間が私にとっては幸せでした。障がい者スポーツ、ブラインドサッカーを通じて、視覚障がい者のことを知ってもらう大きなきっかけになれば本当に嬉しいと思っています」。夢のパラリンピックを追い続けた代表20年目の最古参は、笑顔で大会を終えた。
(取材・文 石川祐介)
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