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上田綺世は招集対象外…E-1メンバー選考に森保監督「サプライズはないと思う」

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海外移籍が決まったFW上田綺世

 日本代表森保一監督が6日、報道陣のオンライン取材で7月に行われるEAFF E-1選手権のメンバー選考に言及し、「サプライズはないと思う」と断言した。

 国際Aマッチウィーク期間外のため、国内組だけで臨むことになるE-1選手権。森保監督は「代表としての経験が浅かったり、初招集の選手は出てくるかもしれない」としつつも、「活躍している選手は誰が見ても活躍しているし、点を取っている選手も可視化されている。サプライズと言えるかは分からない」と述べ、すでにJ1リーグで活躍が目立つ選手を招集する方針を強調した。

 森保監督はこれまでロシアW杯メンバーのDF長友佑都(FC東京)、FW大迫勇也(神戸)、DF酒井宏樹(浦和)の招集回避を明言。カタールW杯に向けたコアメンバーであるGK権田修一(清水)、DF谷口彰悟(川崎F)、DF山根視来(川崎F)を筆頭にJ1で戦う中心選手を招集しつつ、そこにU23アジアカップを戦ったばかりのパリ世代U-21日本代表メンバーを組み込んでいく構えだ。

 もっとも、数字が評価に最も大きく直結するストライカーの選考は少々複雑になりそうだ。ここまでJ1得点ランキング首位の10ゴールを挙げているFW上田綺世は鹿島アントラーズからセルクル・ブルージュへの移籍が決まったため「招集できない」(森保監督)ことが決定。また同2位の8ゴールを記録しているFW町野修斗(湘南)も直近のリーグ戦で負傷交代しており、コンディションが不透明となった。

 こうした状況を受けて、森保監督は「ストライカーというだけでないが、非常に選考は難しくなるところはある」としたうえで「そのときに調子の良い選手を選びたい」と説明。「過去のチーム作りがあって、今があって、未来につなげていくという部分で、過去と今をつなぎ合わせてどうするのが良いのかを考え、これまで招集させてもらった選手も入れていきたい」と話した。

 現在のJ1得点ランキングを見ると、A代表未招集の選手では7ゴールのFW西村拓真(横浜FM)、6ゴールのパリ五輪世代FW細谷真大(柏)、2018年11月の活動で招集メンバー入りしながらも負傷辞退に終わったFW鈴木優磨(鹿島)が有力候補。また「これまで招集させてもらった選手」という点では、現在はJ1リーグの登録を待っている状況で、今夏ヨーロッパからJリーグに帰還したFW鈴木武蔵(G大阪)、FW北川航也(清水)もリストにあがってきそうだ。

 また森保監督はこの日、カタールW杯半年前の海外移籍となった上田の決断にも言及。「綺世は初めての海外移籍なので、海外でサッカーをする、ベルギーでサッカーをする、ベルギーで生活をすることは未知の世界だと思うし、本人は自分を成長させたいという思いでチャレンジしていく。日常で自分を成長させる、価値を上げるためにどうしたらいいかを考えることはとても大切だと思っている。そういった意味で今回、もっともっと上手くなりたい、もっともっと強くなりたい、もっともっと成長したいという思いを持っているのは嬉しく思う。自分の価値を上げる、進化させていくということがプロ選手として厳しい世界を生き抜いていくためには大切なことかなと思う。その先に代表があってほしいとは思うが、常にその気持ちを持っておくことが大事だというのを示してくれている」と前向きに受け止めていた。

 その上でJリーグの有望選手が次々に欧州挑戦を選ぶことについても分析。「Jリーグがダメだということは絶対にあり得ないし、Jリーグも含めて日本サッカーは世界のサッカー大国に追いつけ追い越せで急速に進歩している」「成長は自分次第。自分を常に成長させたいという思いで戦い続けている選手たちはしっかり成長し続けると思う」としながらも、「実際に海外に行って、外国人としてプレーすることで、日本にいてプレーするのとは求められる責任が変わってくる。厳しくその選手の価値を問われる、チームに貢献できるかどうかを厳しい目で問われるのはヨーロッパでプレーすることだと選手たちを見ていて思うし、そこに身を置くことが成長につながっていくと、(海外移籍を)経験した選手は身をもって感じていると思う」と指摘した。

 そうした流れの背景には、欧州トップクラブで挑戦を続けてきた選手たちの影響もある。「国内のサッカーと海外でヨーロッパでやってきた選手が一様に言っているのは、日本のサッカーと海外のサッカーは同じサッカーでも別競技だということ」と彼らの言葉を受け止めた森保監督は「私自身も国内の経験しかない指導者だが、国内の指導者の一人として、多くの指導者、メディアの皆さんと考えて、何が違うのかをしっかり埋めていって、世界に追いつけ、追い越せとやっていかないといけない」と訴えた。

(取材・文 竹内達也)
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