beacon

U-16代表候補初選出の神村学園左SB吉永夢希が強力な武器発揮。目標の先輩2人の励ましに結果で応える

このエントリーをはてなブックマークに追加

後半35分、U-16日本代表候補DF吉永夢希(神村学園高)が左足のスライディングシュートを決めて2-0

[7.14 練習試合 U-16日本代表候補 3-0市立船橋高 高円宮記念JFA夢フィールド]

 森山佳郎監督をはじめとするU-16日本代表コーチングスタッフから「自分の武器を出して行け!」と強調される中、初招集の左SBが武器を発揮し、結果も残した。

 DF吉永夢希(神村学園高)は、市立船橋高戦で左SBとして先発。森山監督が「前のところの推進力はちょっと人にないものがある。前に上がる迫力は相当能力を感じる」と頷くストロングポイントを前半から表現し、クロスへ持ち込んでいた。

 この日は後半途中から左SHへ。「前の方だったから点を決めないと、というのがあったのでしっかり決められて良かったと思います」という結果を試合終了間際に残した。1-0の後半35分、右サイドからゴール前へ斜めのラストパスが入る。ボールは中央の選手に合わず、そのままゴールラインを越えようとしていた。

 だが、「スプリントは自分の一つの武器だと思っているので、最後の最後にできたと思います」という吉永が諦めずにスライディングし、左足ダイレクトで合わせる。これがゆっくりとゴールラインを越えて2-0。試合最終盤に見せたスプリント力、そしてビッグプレーにベンチからも賞賛の声が上がっていた。

 吉永は06年早生まれの高校2年生。5月のインターハイ鹿児島県予選では途中出場で力強い動きを連発し、視察した森山監督からも関心を寄せられていた。その後練習でクロスの質を向上。また、「(チームではC大阪内定のMF大迫)塁さんが一番走れるんですけれども、スプリント回数は(自分が)一番じゃないかと自信はあります」という走力をより出すことを意識してチーム内の評価を高め、代表候補に選出された。

 神村学園の3年生には、年上のU-19日本代表候補に選出されているFW福田師王と、中学生時代から年代別日本代表の主軸を担ってきたMF大迫塁がいる。「あの2人はずっと目標にしていたので、一緒の立ち位置にまず立てたことが嬉しい。『思い切りやってこい』とか、『失敗怖れずにやってこい』と励ましの言葉を受けました」と吉永。また、神村学園の有村圭一郎監督から「自覚と責任を持つこと」を求められて臨んだ4日間で2年生DFは結果を残し、手応えを得たようだ。

「手応えはあります。結果というのがこの代表で一番大事だと思うので、それが残せたので良かったと思います。(ただし、)攻撃の縦パスをどんどん入れたり、守備の強度だったりまだ足りないのでチームに帰って練習したい。神村に帰ってレベルアップして、また挑めたらなと思います」。森山監督からも守備面について求められていた吉永は、今後羽ばたくために足りない部分を本気で埋め、強みを誰にも負けないものに変える考えだ。

 今月24日に開幕するインターハイはアピールのチャンス。「しっかり戦って、アシストや点に絡めたらなと思っています。(将来的には)長友(佑都)選手みたいな、走れてしっかり守備もできるSBになりたい」。今回の活動をきっかけに、進化した姿を見せる。


(取材・文 吉田太郎)

●【特設】AFC U17アジアカップバーレーン2023予選特集

TOP