beacon

森保JカタールW杯への“準備プラン”…本戦メンバー26人は「早く発表」現地入り後にテストマッチも?

このエントリーをはてなブックマークに追加

報道陣のオンライン取材に応じた森保一監督

 日本代表森保一監督が2日、報道陣のオンライン取材に応じ、カタールW杯に向けた準備期間のプランを明かした。異例の11〜12月開催となるカタール大会では通常1か月のキャンプ期間が大幅に短縮され、10日間ほどしか取れない見込み。それでも指揮官は「どの国も同じ条件なので、W杯に向けて目の前の活動を充実させたい」と普段どおりの姿勢を強調した。

 11月21日に開幕するカタールW杯本大会まで4か月を切り、本番ムードが高まりつつある森保ジャパン。残るテストマッチはは9月に予定されているアメリカ・エクアドルとの欧州遠征2試合のみで、それが終われば11月の本大会に向けた合宿での集合となる。

 過去のW杯前には日本国内でチームが集合し、テストマッチを行った後、事前キャンプ地でトレーニングを行うという流れが通例だった。しかし、欧州のシーズン期間中に行われるカタール大会ではこれらの行程が全て不可能。Jリーグ組は11月5日の最終節、欧州組は12〜13日の中断前最終戦を終えた後、本大会期間中も滞在するベースキャンプ地に直接入る形となる。

 日本代表は23日に初戦のドイツ戦を控えるが、全員が揃ってトレーニングができるのはリカバリー期間を含めてもたった10日ほど。過去のW杯のように試合ごとの長距離移動がなく、日本はベースキャンプ地のアルサッド施設から動く必要がないのはメリットになりそうだが、綿密な戦術トレーニングでチームを仕上げていくことは期待しづらい。

 短い期間での準備について森保監督は「まずはタイトなスケジュールのリーグ戦を終えて集まってくると思うので、短い期間の中でも少しでも心身ともにリフレッシュしてもらう、リカバーの時間を取りながらチーム全体でコンディションを上げていく」とした上で「そして戦術的に絵を合わせていくところを与えられた時間の中でやっていきたい」と方針を示した。

 もっとも、カタールW杯がこうしたスケジュールになるのは織り込み済みだ。指揮官は「W杯の準備とは言いながらも、これまでも一戦一戦その時のベストを尽くして戦っていくことの積み上げがW杯につながるということで考えてきたし、その目の前のことを怠っていればW杯への道も繋がらなくなると考えてきた」とキッパリ。本大会直前の準備期間でも、同様の姿勢でチームづくりを進めていく構えだ。

■メンバー発表の時期は…?

 そうした状況を踏まえ、カタールW杯のメンバー発表は大会直前ではなく、「少し前でもいいかなと思っている」と森保監督。「フィジカル的にはJリーグの選手たちはシーズンを戦って問題ないと思うし、ヨーロッパで戦う選手もシーズン真っ只中になるので問題ない」と体力的な面には前向きな見通しを示しつつ、「どれくらい前かはわからないが、早く発表して選手たちにW杯に向かうメンタル的な準備をしてもらうことをも必要かなと思っている」と精神面での準備に配慮する狙いを明かした。

 その一方、コロナ禍のアクシデントに備えて、登録メンバー上限の26人以上を招集するという選択肢は「考えていない」と断言した。「直前になって必要かなと思う選手がいれば考えていきたい」とコンディションが不安視される選手がいる場合には含みを残したが、「大会のメンバーについては26人の発表でいいかなと思っている」と述べた。

■“直前テストマッチ”の可能性が浮上

 森保監督はこの日、「W杯直前の集合だが、1試合は試合を組んでもらいたいといまお願いをして動いてもらっているところ。最低でも選手が45分以上プレーできるような試合ができればと思っている」と述べ、カタール入り後にトレーニングマッチを行う可能性に言及した。

 ロシアW杯前は開幕7日前にインスブルックでパラグアイ戦(○4-2)、ブラジルW杯前も開幕8日前にタンパでザンビア戦(○4-3)と事前キャンプ地近郊でテストマッチを行っているが、開催地近郊で直前試合を行うことになれば異例。開幕戦までの日数、会場の確保などさまざまな課題はありそうだが、「そこはどうなるかちょっとわからないが、お願いはしている」(森保監督)と調整が続いているようだ。

■活動期間外の取り組みも…

 代表チームとして活動期間が短いのであれば、活動期間外を活用するのも一つの手。森保監督は「選手と選手の所属チームの関係が壊れない程度にやっていきたい」と述べ、所属チームで活動する期間にも映像などを通じて戦術浸透を図っていく姿勢を見せた。

 あくまでも最優先は所属チームでの活動。指揮官も「大切なのは選手が日常所属しているクラブで活動を充実させて、ポジションを掴み取る、チームを勝たせる存在として力を示す、価値を上げていくのが自然と日本代表の活動にもつながってくるので、二つのことを同時に考えさせてしまって選手を混乱させるようなことは一番あってはならない」と過度な干渉には否定的だ。

 それでもW杯は選手自身の価値を左右する大舞台。「選手の個人戦術のパフォーマンスが上がるという観点で、所属チームにとってプラスになるし、代表にとってもプラスになる」という前提のもと、「オンラインのミーティングはこれまでもやってきたので続けるところは続けていきたい」とした。

 森保監督は今月末から9月の欧州遠征までの期間、現地で代表メンバー候補の視察を行う予定。「欧州視察で個人面談もできると思うので、現在の彼らの様子を聞きながら、代表での考え方も選手の負担にならない程度に話していこうと思っている」。特にDF吉田麻也(シャルケ)、MF南野拓実(モナコ)ら中心選手の移籍が相次いでおり、彼らが新シーズンでどのようなパフォーマンスを発揮するかはW杯に向けても大きなポイント。指揮官は「どう会っていくかは決めていないが、移籍した選手は気になるのでタイミングが合えば見にいきたい」と述べた。

(取材・文 竹内達也)

●EAFF E-1選手権2022特集ページ
★日本代表など参加32チームの最新情報をチェック!!
2022W杯カタール大会特集ページ
★全64試合の日程&テレビ放送をチェック!!
2022W杯カタール大会日程&TV放送

TOP