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U-16日本代表はウズベキスタン遠征で新たな学びと成長。中軸MF山本丈偉は経験重ねて世界へ

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U-16日本代表期待の大型ボランチ、MF山本丈偉(東京Vユース)

 ウズベキスタン遠征で国際親善大会『Mirabror Usmanov Memorial Cup 2022』に出場しているU-16日本代表は現地時間25日、U-16ウズベキスタン代表と対戦。前半に退場者を出し、0-3で敗れた。

 U-16タジキスタン代表との初戦は2-0で勝利も、第2戦は開催国相手に悔しい敗戦。現地時間翌朝のオンライン取材に出席したMF山本丈偉(東京Vユース)は、「日本はボール持てたりするんですけれども、(アジアの選手は)一瞬気が抜けた時に背後へ抜けて決めてくる勝負強さみたいなものがあるので、そういうところは気を引き締めてやらないといけない」と警戒した。

 U-16日本代表は今年10月にAFC U17アジアカップ予選に出場。23年に開催されるU-17ワールドカップへの戦いをスタートする。今回のウズベキスタン遠征は、本番へ向けた貴重な活動だ。

 高校1年生ながら東京Vユースの中盤で存在感を放つ山本は、代表常連の大型ボランチ。U-16日本代表の森山佳郎監督から「ゲームを落ち着かせるところやゲームを作るところは自信を持ってやって、と言われています」というMFは、代表チームの中軸としての自覚も持って行動している。

 コロナ禍によって、昨年までは海外遠征をすることができなかったが、今年5月にルーマニア遠征。その後、インターナショナルドリームカップ(仙台)、今回のウズベキスタン遠征と国際試合の経験を重ねてきた。

「1回目のルーマニアの時は外国人の選手とやったのが結構初めてくらいで、(相手の)足が伸びてくるところだったり、ボールを取りに来る迫力はどんどんルーマニアとドリームカップで慣れて行って、自分でも感覚を掴めてきた」。だが、今回のウズベキスタン遠征では攻撃のリズムを作れている一方、強くボールを奪いに行って剥がされてしまうなど課題も。世界を体感して改めて感じたことを個人、チームとして改善していかなければならない。

 今回のウズベキスタン遠征は、期間中に新型コロナウイルス陽性反応が認められた森山佳郎監督や廣山望コーチがチームから離れている。ミーティングはオンラインで実施。難しい状況の中で練習、試合を行っているが、指揮官からのメッセージを選手たちは体現しながら、成長に繋げているようだ。

「『自分たちで解決できるような選手になれ』と言われている。アジア予選とか行くと、アウェーで監督の声が聞こえない中でも自分たちでしっかり話し合っていく力を求められているので。そういうところで言うと、昨日の試合(U-16ウズベキスタン代表戦)は全員がいつもよりも責任感を持って声を出してやっていたと思います」(山本)

 アクシデントを成長に繋げているU-16日本代表。山本はこれから始まるアジア、世界での真剣勝負へ向けて、「まずはアジア予選で勝ち抜いて、世界でももちろん優勝を目指していますし、どんどん経験を積むことで自分のサッカー人生で大きくなってくると思う」。兄・MF山本理仁(G大阪)は、パリ五輪世代の代表チームで活躍中の注目レフティー。弟も負けじと世界へ打って出て、スペイン代表MFセルヒオ・ブスケツのような選手、プレミアリーグやワールドカップで活躍するような選手を目指す。

 まずは『Mirabror Usmanov Memorial Cup 2022』最終戦のU-16イラン代表戦(27日)に集中。「最後は勝って気持ち良く帰りたいので、みんなも昨日3失点してそれについて昨日もたくさん話し合って、そこを改善して絶対に勝とうという気持ちを持っていると思うので、同じミスをしないで日本らしいサッカーで勝ちたいと思います」と意気込んだ。勝って、アジアの戦いへ弾みをつける。

(取材・文 吉田太郎)

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