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プレス整理に3枚回し…“修正力”で違い見せた遠藤航「良い準備期間になった」

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MF遠藤航(シュツットガルト)

[9.27 キリンチャレンジ杯 日本0-0エクアドル デュッセルドルフ]

 日本代表は後半22分、MF遠藤航(シュツットガルト)、MF鎌田大地(フランクフルト)、MF相馬勇紀(名古屋)を同時に投入すると、主導権は徐々に日本へと傾いていった。試合後、遠藤は自身の交代時に加えようとした変化を次のように振り返った。

「相手が前半から結構3枚回しをしていたので、そこにプレッシャーに行けていないなというのがあった。僕が入った時には押し込まれる時間帯だったので、もう一回しっかりとブロックを引いて構えながら、自分たちがボールを持った時にちょっと落ち着きたいというか、ボールを動かしたいなと前半を見ていて思った。そこで自分たちも3枚作ったり、プレッシャーが来たら間で受けるというのを意識していた」

 3枚でビルドアップしてくる相手を無理に深追いせず、その一方、エクアドルの2枚のファーストプレスに3枚でビルドアップするという決断。それは遠藤の「個人的な感覚」によるものだったという。

 特に安定感をもたらしていたのは遠藤が加わったボール保持。「前半に(田中)碧や(柴崎)岳もトライしていたけどなかなか入っていなかった。僕も最初は間に立っていたけど、どっちかというと自分のところを消しながらCBにプレッシャーに行っていたので、それなら(最終ラインまで)落ちたほうがいいかなと。そこはチームとしてではなく、ボランチの選手がどこで数的優位を作るかは考えながらやっていいかなと思う」。これまで積み上げてきたピッチ内の修正力が表れた場面だったようだ。

 そうした手をしっかり繰り出すことで、相手の出方をうかがうことができ、試合展開を先手で進められる。「個人的に意識しているのは相手がどういうふうにプレッシャーをかけているのか。今日ならば僕らが3枚を作った時、相手のウインガーが(伊藤)洋輝や(谷口)彰悟くんのところにかけてくるか」。その意識は同時投入された鎌田も共有しており、「大地もその辺はわかっていてうまくサイドに落ちて、サイドハーフとサイドバックの間で受けるような動きをしていた」と遠藤。今後に向けても「チームとしてどこが空いているのか、どこで数的優位ができるかを流動的に考えながらやれれば」と展望を語った。

 こうした選手間の共通意識は、これまで選手中心に熟成されていた雰囲気があったが、今回の活動では森保一監督を中心としたコーチングスタッフからベースが提示され、その上に選手のアイデアが乗っかる形となっているようだ。

 ドイツ遠征の2試合を振り返った遠藤は「チームとしてまず監督やコーチングスタッフがどういう戦術でやりたいのかが明確になって、それをトライするところプラス、中で選手たちが一人一人判断を持ちながらやっているのがいいところ」と指摘しつつ、「今日もちょっとうまくいかない時に3枚で作るというのをやったが、ある程度チームとしてのオプションを持てるようになっている。そこは監督とも話しているし、選手もお互い話しながらこうなったらこうというのが、遠征を通じて密に話せた」と総括。「W杯本大会に向けても良い準備期間になったと思う」と前向きに語った。

(取材・文 竹内達也)
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