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“世界への挑戦”が3日スタート…中1日での4連戦に臨むU-16日本代表、油断や慢心なく初戦へ

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3日に初戦フィリピン戦を迎えるU-16日本代表

 U-16日本代表の世界への挑戦が始まろうとしている。「AFC U17アジアカップバーレーン2023予選」グループAに属する日本は、3日に最初の試合を迎える。

 すでに他の4カ国は1日に初戦を終えているが、U-16日本代表は第1節に試合がなく、3日の第2節・U-16フィリピン代表との試合が初戦となる。その後は中1日での4連戦となり、トルクメニスタン、シリア、そして地元ヨルダンの各U-16代表と対戦していく形だ。

 森山佳郎監督が「ギリギリの戦いになると覚悟している」と語るように、簡単な大会になりそうにはない。ヨルダンは今年6月に行われたU-16西アジア選手権の優勝国で、シリアは同3位と、この世代では一目置かれるチーム。指揮官は「実力のあるチーム。体もデカイし、球際も強い」と警戒を深める。8月に行ったウズベキスタン遠征では厳しい結果を突き付けられていることもあって、油断や慢心の色はない。

 また、自信を欠いているわけでも、チーム状態に問題があるわけでもない。現地入り後に行った9月30日の練習試合では地元ヨルダンの強豪のU-18チーム相手に4-0と快勝。大型FW道脇豊(熊本ユース)が「裏に抜ける形で先制点を奪えて、クロスから2点目も取れて自信になった」と語るように2得点と火を噴き、FW名和田我空(神村学園高)、FW徳田誉(鹿島ユース)も各1得点と、ストライカー陣が得点を重ねたのも好材料だ。

 選手たちの表情も明るく、チーム結成以来初めてとなる公式戦に向けて士気は高い。

「W杯に出ないと活動してきた意味がない。チームとして勝ちにいく」(DF柴田翔太郎=川崎F U-18)

「世界に繋がる大会が始まるのでみんな気合いが入っているし、自分のモチベーションも高い」(MF中島洋太朗=広島ユース)

「やっとアジア1次予選が始まる。楽しみでワクワクしている」(DF藤井葉大=飯塚高)

 ヨルダンの乾燥した気候にも「最初の2日くらいは慣れなくて大変だったけれど、いまはもう慣れた」(柴田)と順応してきた。食事も過去の海外遠征での反省も踏まえて各自準備してきたそうで、「ふりかけがあれば問題ないです」と名和田が笑ったように、体調を崩すような選手もなく、順調に調整できている。

 また試合会場は人工芝のグラウンドであるのも日本にとってはアドバンテージ。殆どの選手が普段から人工芝で練習しており、「むしろ天然芝でのプレーで課題が出るのがこの年代の日本人選手」(森山監督)であるため、有利に働きそうだ。森山監督の言葉を借りれば、「逆に(芝を)言い訳にできない大会とも言える」。

 初戦の相手のフィリピンとはチーム力の差がありそうだが、何が起こるか分からないのが国際大会の初戦である。フィリピンには市立船橋高の兄弟コンビ、DFギマラエス・ガブリエル・ロドリゲスとGKギマラエス・ニコラス・ロドリゲスも参戦しており、油断していい相手でもない。まずは大事な初戦を制し、世界への第一歩をしっかりと踏み出したい。

(取材・文 川端暁彦)
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