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U-16日本代表が白星発進!! 市船ギマラエス兄弟擁するフィリピンに大苦戦も“勝ち点3”つかみ取る

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2得点を奪ったU-16日本代表FW道脇豊(熊本ユース)

[10.3 U17アジアカップ予選 U-16日本代表 3-0 U-16フィリピン代表 ヨルダン]

 大苦戦の船出となった。「AFC U17アジアカップバーレーン2023予選」グループA第2節が3日に行われ、これが初戦となるU-16日本代表はU-16フィリピン代表と対戦。市立船橋高のギマラエス兄弟を擁するフィリピンの粘り強いプレーに苦しみつつも、3-0の勝利を飾った。

「初戦でみんな緊張していたと思うし、硬かった」

 FW道脇豊(熊本ユース)がそう振り返ったとおり、選手たちにとっては代表のユニフォームを着て臨む初めての公式戦である。慎重に試合へ入る中で、なかなか思うようなプレーができない序盤となった。

 平田礼次監督率いるフィリピンは日本を警戒して、重厚なディフェンスを自陣に形成。互いをフォローしながらスペースを作らずに守る組織的な守備で日本に対抗し、なかなか隙を作らせなかった。

 ただ、この日キャプテンマークを預かったDF本多康太郎(湘南U-18)が「アジアではこういう戦いになることもあると事前に森山佳郎監督からも言われていたので、焦らずやろうと思っていた」と振り返ったように、焦りからボールを失ってカウンターを受ける場面はほとんどなく、被シュートゼロに抑えながら相手を押し込む流れを維持し続けた。

 その忍耐が報われたのは前半42分だった。ペナルティーエリア内でボールを受けた名和田我空(神村学園高)が粘り強くボールを持って「GKの頭さえ越せばいけると思った」と飛び出したGKギマラエス・ニコラス・ロドリゲス(市立船橋高)の頭越しのショートクロスを送ると、ここに待っていたのは背番号9を預かる長身FW道脇。抜け目なくこのヘディングシュートを沈め、貴重な先制点を奪い取った。

 その直後、「あそこですぐに点を取れたのは良かった」と森山監督も褒める一発を決めたのはまたしても道脇。DF藤井葉大(飯塚高)のクロスを足元で受けると、いったん相手DFにボールを触られたものの、その跳ね返りを蹴り込み、追加点をもぎ取ってみせた。

 こうなると、ペースは完全に日本だったが、「後半になってもフィリピンの戦意を折れなかった」と森山監督が悔しがったように、DFギマラエス・ガブリエル・ロドリゲス(市立船橋高)が中心となるフィリピン守備陣は粘り強いディフェンスを継続。日本の攻撃を跳ね返し続ける。飲水で日本の選手の殆どがサイドに寄った隙を突いてゴールに迫るシーンも作るなど、日本側に冷や汗もかかせた。

 それでも日本は交代で出場した選手がきっちり最後の仕事をこなして試合を締める。後半39分、MF吉永夢希(神村学園高)のクロスボールを交代出場のFW木吹翔太(広島ユース)が頭で折り返し、これをFW徳田誉(鹿島ユース)がヘディングで叩き込んで、3-0。199cmの木吹と185cmの徳田のツインタワーが見事に機能したゴールだった。

 試合後、森山監督は「『予選は甘くないんだ』ということが選手たちにも実感できたと思う。1試合ずつより良いチームになっていって予選を突破するというのが今大会で目指すところなので、次の試合はもっと良い形にしたい」と総括。MF川合徳孟(磐田U-18)も「もっと皆で声を掛け合って全員で一丸になって全体で勝ちにいけるようにしていきたい」と語り、あらためてタフなアジア予選突破へ向けて気を引き締め直すこととなった。

(取材・文 川端暁彦)
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