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苦しむチームを救う2発!! U-16日本代表の背番号9、FW道脇豊「泥臭く激しく戦って予選を突破する」

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2得点を奪ったU-16日本代表FW道脇豊(熊本ユース)

[10.3 U17アジアカップ予選 U-16日本代表 3-0 U-16フィリピン代表 ヨルダン]

「FWは点を取ってナンボなんで」

 そう語ってきたU-16日本代表の背番号9が、大事な初戦で火を噴いた。

 来年のU-17W杯へと繋がっていくAFC U17アジアカップ予選の初戦となったU-16フィリピン代表との試合は、日本にとって何とも難しい展開になった。粘り強く引いて守る相手をなかなか切り崩せず、時間ばかりが過ぎていく。焦りが出てもおかしくない状態を救ったのは、FW道脇豊(熊本ユース)のゴールだった。

「入りで点が取れず、みんな焦れていたと思うのですが、そこでしっかり自分が立て続けに点を取れて、チームを楽にできた」

 そう振り返る前半42分の1点目は、クロスをヘッドで合わせる形。2トップを組むFW名和田我空(神村学園高)がラインアウトしそうなボールを粘って残しながら送ったクロスにキッチリと合わせてみせた。さらに続く同44分にも、いったん相手DFに当たったボールがこぼれたところをすかさずシュートする形で追加点を奪って胸を張る。

「この遠征のテーマは泥臭く激しく戦って予選を突破すること。自分はFWなので、どんなゴールでも1点は1点」

 意識しているのは「どんな形でも点を取れるFWになること」。スピードを活かして裏に抜けても良し、186センチの長身を活かしてヘッドで合わせるのも良し、そして泥臭く押し込むゴールも良し。「ミドルシュートで決めるとか、相手DFを外してシュートコースだけ作って決めるとか、もっとバリエーションを増やしたい」という意識も持ちつつ、より高みを目指している。

 意識するプレーヤーはイングランド代表FWハリー・ケインと、「同じ九州出身なので憧れている」と言う日本代表FW大迫勇也。いつかは彼らと肩を並べる存在になることが目標だ。

「(熊本ユースの)岡本賢明監督にも『道脇豊の名前を世界に残してこい』と言われている」

 今年3月、中学生ながらJ2リーグのベンチ入りを果たしたストライカーは、日本代表のエンブレムを着けて初めての公式戦で、その名を世界に刻むための最初のステップを踏み出した。

(取材・文 川端暁彦)
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