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“相棒”から受けた大きな刺激…1G1Aで勝利呼び込む!! U-16日本代表DF柴田翔太郎「この試合に懸けていた」

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1G1Aの活躍を見せたU-16日本代表DF柴田翔太郎(川崎F U-18=2番)

[10.7 U17アジアカップ予選 U-16日本代表 3-0 U-16シリア代表 ヨルダン]

「自分と何が違うのかなと思って、山根視来さんのプレーをめっちゃよく観るようになったんです」

 U-16日本代表DF柴田翔太郎(川崎F U-18)は、同じクラブの同じポジションでプレーする日本代表選手についてそう語る。「サイドバックであれだけアシストして点も取っている人なんていない」(柴田)選手のプレーを目で盗みつつ、自分の中に採り入れている。AFC U-17アジアカップ2023予選を前に、そんな話を聞かせてくれた。

 7日に行われたU-16シリア代表との試合で見せたプレーは、「守備には自信がある。もっと攻撃で決定的な仕事をできる選手になりたい」と語って取り組んできた柴田の進歩を感じさせるゲームだった。

 開始4分、「インスイングのクロスに対してボールウォッチャーになる傾向があるという分析があった」(柴田)というシリアに対し、切り返しから左足でのゴール方向へのクロスを送り込む。左右両足でのキックは柴田の大きな武器で、鋭いクロスはニアに走った選手に合わなかったものの、ワンバウンドしたボールに相手GKも反応できず、ゴールイン。見事な先制弾となった。

 その後も「山根さんのプレーを観て、自分なりにチャレンジしている」と言う外に張るだけでなく、内側にポジションをとりながらゴールへも迫っていくプレーを披露。前半22分には、中央をドリブルで持ち込んでの決定的なラストパスを吉永夢希(神村学園高)に届け、PKを誘発してみせた。

 後半22分には、FW徳田誉(鹿島ユース)の頭へピンポイントクロスを送り込み、アシストも記録。攻撃面で大きな存在感を示したが、守備に回っても果敢な対応を披露。肉弾戦を強いられる場面もあったが、「1対1のハートのところは絶対に負けたくなかった」と、よく体を張って対抗。ゼロ封にも貢献してみせた。

 熱いプレーを続けた裏には、もう一つ大きな刺激があった。

「今日の朝もゲキサカのニュース最初のページに加治佐の記事が載っていた」

 同時期に開催されている国体で神奈川県選抜は見事優勝。その右SBを務めていたのが加治佐海(川崎フロンターレU-18)だ。

「東京都選抜との試合も1ゴール1アシストで『代表に行きたい』と書いてあって、加冶佐はずっと一緒にやっている相棒みたいな選手だけれど、同じチームの同じポジションの選手に負けられない。この試合に懸けていたし、やってやると思っていた」

 遠く離れた日本にいるライバルからの強烈なメッセージを受け取った熱い男は、その気持ちをプレーに反映し、代表チームを勝利に導く働きを見せ付けた。

(取材・文 川端暁彦)
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