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ブラインドサッカー日本代表は残り2勝で24年パリ・パラリンピック出場決定…主将・川村「全員で戦って勝利を」

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左から平林太一、中川英治監督、主将・川村怜

 ブラインドサッカー日本代表は、インドで開催されているIBSA ブラインドサッカーアジア・オセアニア選手権 2022のグループリーグを全勝で首位通過。日本時間17日午後11時30分から行われるタイ代表との準決勝に進出した。今大会で優勝すれば2024年パリ・パラリンピック出場が決定。16日のオンライン取材で、中川英治監督、主将の川村怜、平林太一の3人が意気込みを語った。

 日本は21年東京大会でパラリンピックに初出場し、5位入賞を果たした。24年パリ大会は自力での初出場を狙う。パリまでの道のりは2つ。今回行われているアジア・オセアニア選手権で優勝すること。または23年8月の世界選手権に出場し、大陸別選手権で本大会出場を決めていないチームの中から上位3か国に入れば、本大会への切符を掴むことができる。今回準決勝に勝ち進んだことで世界選手権の出場が決定。そして、パラリンピック最短ルートである今大会の優勝まで残り2勝となった。

 グループリーグ最終節では、14年リオ・パラリンピック銀メダルのイランと対戦した。過去勝利したことがない強敵を相手に、日本は慎重な立ち上がり。「前半はすごい圧で来るだろうなと想定はできていた。それを耐えしのげば、必ずチャンスはある」(川村)。ボール支配率は相手が60%を超えていたが、シュートは0本に抑えた。一方、日本はボール支配率では下回ったが決定機は創出。狙い通りの展開に、中川監督も「前半は僕らのハマったゲームだった」と振り返った。

 すると、後半2分に均衡を破ったのは日本。左サイドで黒田智成からボールを受け取った平林が鋭いカットインから右足シュート。ゴール左隅に突き刺し、価値ある先制ゴールを挙げた。「自分が点を取るのはもちろん目指しているところではあった。でも、チームで点を取って勝つことを意識していた」(平林)。イランから史上初の得点を奪った日本は、そのまま守り切り、1-0でイランから初勝利を成し遂げた。

「自分の1点というよりも、チームの1勝が自分の中で嬉しく思っています」と平林は喜びを噛みしめる。先月3日に16歳になったばかりの若き日本代表は、今大会が初の公式大会。初戦のウズベキスタン戦(○11-0)では初ゴールを挙げ、16歳1か月9日での得点という代表最年少ゴール記録を樹立した。13日のオーストラリア戦(○8-0)ではハットトリックも達成。今回のゴールで今大会5ゴール目となった。

 若い力も加わった日本は、17日にタイと対戦する。中川監督はグループリーグ突破も気を緩めない。「あと2つ勝って、(パラリンピックの)切符を取ることが僕らの優先的な目標。皆さんの前でいい結果を報告できるようにがんばっていきたい」と意気込んだ。

 主将の川村も「まだグループリーグを突破しただけで、何も成し遂げたわけじゃない」と油断はない。「ここからが準決勝、決勝と厳しい戦いになる。一致団結して、全員で戦って勝利を掴み取りたい」と頂点を見据えた。平林は「これから2試合、いままで以上に苦しい試合になる。チーム全体で勝ちを取れるように、全力でがんばっていきたい」と奮闘を誓った。

・日本語実況のYouTubeライブ配信先
https://youtu.be/6TbqN64iv2o


(取材・文 石川祐介)

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