[11.27 カタールW杯E組第2節 日本 0-1 コスタリカ アルラーヤン]

　カタールW杯コスタリカ戦の敗戦後、ランダムで行われるドーピング検査を終えてミックスゾーンに姿を現した日本代表DF板倉滉(ボルシアMG)は気丈に振る舞った。「全然これで終わったわけじゃないし、最後のスペイン戦も残っているので次で決めたい」。日本で応援するサポーターのことも気遣いながら、強敵スペインに挑んでいく姿勢をきっぱりと示した。

　左膝の負傷による長期離脱を経て迎えたカタールW杯。板倉は初戦ドイツ戦、第2戦コスタリカ戦ともにフル出場し、負傷前にブンデスリーガで見せていたのと同様のパフォーマンスを発揮している。コスタリカ戦でもこの試合のテーマとなった守備のリスク管理を徹底し、味方の不用意なボールロストにも対応。停滞したチームの中で随所に光るプレーを見せていた。

　ところが後半36分、チームは反対サイドでシンプルなロングボールから押し込まれ、攻勢が続いていた中でまさかの失点。大会前は勝ち点3が最低条件だと思われていたコスタリカ戦で、勝ち点を落とした。「ディフェンスラインの僕としては我慢してゼロで抑えたかった」。直接的に失点に絡んだわけではない板倉だったが、失点の責任を背負った。

　それでも板倉は明るく振る舞おうとしていた。「なかなかチャンスは作らせていなかったけど、最後の一本でやられてしまう。これもやっぱりサッカー」。そんな現実を受け止めつつも「ドイツ戦に勝って、コスタリカに負けて、国民のみんなは下を向いているかもしれないけど、選手は次のスペイン戦に向かっている。心配しないでほしい。みんなで一緒にスペイン戦で戦ってほしい」と日本で応援しているサポーターに呼びかけた。

　またこのあとのスペイン対ドイツ戦ではスペインが勝ったほうが日本に有利に働くという中、「まずは今日の夜スペインのことをしっかり応援して、最後のスペイン戦で決めたい」とユーモアを込めて意気込みをアピール。負傷明けとあり2試合連続フル出場は懸念材料だが、「次の試合まで3日あるのでリカバリーもできるし、次が勝負なのは全員が分かっているので疲労どうこうは言っていられない」ときっぱり口にし、取材エリアを後にした。

(取材・文　竹内達也)

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