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W杯2得点も堂安律が感じた無力さ「本当のエースになりたいならば…」

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日本代表MF堂安律(フライブルク)

[12.5 W杯決勝T1回戦 日本 1-1(PK1-3) クロアチア アルワクラ]

 「正しい言葉が見つからないですけど、国民の皆さんに申し訳ない気持ちです」。日本代表はクロアチアに悔しい敗戦。3-4-2-1の右シャドーでコスタリカ戦に続いて先発出場したMF堂安律(フライブルク)は、全選手の中で真っ先に取材エリアに現れると、こみ上げる悔しさを抑えきれなかった。

 PK戦の後、ピッチに座り込んでいたことを聞かれると「無力さがあった」と言った。

「自分がそこでピッチにいなかった無力さ。本当のエースになりたいならば、あの時間にピッチに立っていなくちゃいけないですし、外しても決めても自分のおかげと思われるような人になりたい。だからその無力さを感じた」

 唇を噛みながら振り返った。前半43分の前田大然の先制点は、堂安の右CKが起点だったが、後半10分に1-1に追いつかれた後は日本の勢いが止まった。次第に疲労を感じていった選手たちから勝ち越しのゴールを奪うためのパワーは出てこなかった。

「失点後は疲れもあって、ギアを上げきれなかった。それは中でやっていてすごく感じていた。自分もなんとかしようとしたけど、チャンスを作れなかった」

 グループリーグでドイツとスペインに勝利しての決勝トーナメント進出だったが「いくら強豪国に勝っても歴史を変えることができなければ…。すべてがゼロになるわけじゃないですけど…」と悔やんだ。

 ベスト16で敗退したのは今回で4度目。「4度目というのは運が悪かっただけでは済まないと思う。何が足りないのか、明日から切り替えられるか分からないけど、切り替えて考えたい」と堂安は言う。

今後、日本が五分の相手に対して勝ちきっていくためには何が必要か。

「正直、今はパッと答えられないけど、ボールを握られる時間が長くなると勝つ確率は下がると感じた。ボールをしっかり握りながら試合を進めていく必要性を感じている」。

 24歳。今大会でドイツとスペインから計2得点を奪った堂安には、今後の日本代表を引っ張っていく期待が懸かる。

「皆さんが言ってくださるように4年後がある。ただこのメンバー、この26人で戦えるのは最後でしたし、本当に素晴らしいアドバイスをくれる先輩方がいいたので、その先輩方と1試合でも多くやりたいという気持ちがあった。今この場で切り替えて4年後、頑張りますって安易に言えるような感情ではない」と複雑な思いを吐露しながら前を見つめた。

(取材・文 矢内由美子)
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