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5人目キッカーだった“PK職人”遠藤航「蹴った選手を責めることはできない」

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MF遠藤航(シュツットガルト)

[12.5 W杯決勝T1回戦 日本 1-1(PK1-3)クロアチア アルワクラ]

 1-1のまま延長戦を終え、運命のPK戦。日本代表は蹴りたい選手が手を上げる方式で顔ぶれが決まり、MF遠藤航(シュツットガルト)は5人目のキッカーとして準備していた。

 遠藤はJリーグの湘南ベルマーレ時代に19歳でPKキッカーを任され、浦和時代の2016年ルヴァンカップ決勝では5人目に蹴って優勝を飾った。Jリーグ時代の失敗は一度だけ。PKには絶対的自信を持っているだけに、最後に自分がPKを成功させてベスト8を決める絵を描いていたに違いない。

 しかし、日本は4人中3人が失敗。遠藤まで順番が回ってくることなく敗退が決まった。

「感覚的に浦和の時から5番目で蹴っていたので、5番目をやりたいと言った。(蹴らずに終わったことは)そこはもうしょうがない。蹴った選手たちを責めることはできない。チームとして、あそこでPK戦になってしまったところが敗因かなと思う」。悔しさは当然あるが、PKに関しては結果を真正面から受け取った。

 前半に先制し、1-0で折り返すというゲームプラン通りの試合展開だった。だが、相手は前回準優勝の強豪クロアチア。追加点を取りに行こうとしたが、反対に後半10分、クロス1本からFWイバン・ペリシッチに決められ、1-1の同点とされた。そこからはクロアチアが息を吹き返し、日本は後半20分過ぎから我慢の時間帯が続き、追加点を奪えなかった。

 日本チームとしては2018年ロシアW杯と同じベスト16での敗退だが、遠藤にとっては180度違う大会となった。4年前は出場機会をつかめないまま敗退。しかし、今回はブンデスリーガの2年連続デュエル王という勲章をひっさげ、中心選手としての出場。4試合中3試合に先発し、途中出場のスペイン戦ではクローザーとしてグループリーグ首位突破に貢献。「ここまでの4年間は無駄ではなかったと思う」と胸を張った。

 悔しい敗戦だったが、日本サッカーの成長を感じた大会でもあった。

「クロアチア相手に、対等にはやれた。日本代表の選手たちのクオリティーが多分高くなってると感じる。ようやく世界と対等に戦える土台に来ているのかな」。4年後を目指してすぐにでも再スタートするつもりだ。

(取材・文 矢内由美子)
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