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混沌とする代表正GK争い…谷晃生はクラブでの競争を成長の糧に「トップクラスのGKと毎日、隣で」

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日本代表GK谷晃生

 クラブでも代表でも熾烈な守護神争いに挑む。昨年9月のドイツ遠征以来の復帰となった日本代表GK谷晃生(G大阪)は合宿初日の練習後に報道陣の取材に応じ、「自分のプレーを最大限、短い時間の中で出していければ。(他のGKの)だれがとかは意識していない。自分にできることを毎日の練習で出していければ」と意気込んだ。

 10年南アフリカW杯、14年ブラジルW杯、18年ロシアW杯と3大会連続で日本代表の守護神を務めたGK川島永嗣が代表からの引退を表明し、昨年のカタールW杯で正GKだったGK権田修一も招集を見送られた。今回の招集メンバーで最年長選手となる31歳のGKシュミット・ダニエルは国際Aマッチ11試合の出場と一歩リードするが、谷と同じ東京五輪世代のGK大迫敬介を含め、正GK争いは改めて仕切り直しとなる。

「次のW杯に向かって、あと3年ちょっとの中ですぐにアジアカップが来たり、(W杯)予選が始まったりする。自分がその中でどう成長して、どのような立ち位置になるか、こういうキャンプだったり、チームのトレーニングの中で見られていると思う」

 今季、湘南への期限付き移籍から4年ぶりにG大阪に復帰。J1の開幕から3試合は先発したが、その後はGK東口順昭がゴールを守っている。「言い方が難しいけど、湘南にいて自分の中で居心地が良くなりすぎた部分があった。もう一度、試合に出られるか出られないかというところから始めて、自分のプレーが良くなければ1、2試合で出られなくなるような厳しい場所に身を置きたいと思って決断した」。今のポジション争いも自分自身が望んでいたものに他ならない。

「そうすることで成長できるし、充実した日々を送れている。ヒガシさん(東口)は日本トップクラスのGKだし、そういう選手と毎日、隣で練習することで自分もさらに成長できている」

 2021年の東京五輪では全6試合に先発した谷だが、A代表での出場は、フル代表デビューとなった昨年7月27日のE-1選手権・韓国戦の1試合のみ。3年後の北中米W杯に向けた守護神争いが混沌とする中、クラブと代表の両方でハイレベルな競争を続けることが谷自身のさらなる成長へとつながるはずだ。

(取材・文 西山紘平)

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