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欧州組との対峙に藤井陽也「Jリーグではシュートを打たれない場面でも…」

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DF藤井陽也(名古屋)

 追加招集で掴んだ日本代表という環境の中で、DF藤井陽也(名古屋)が充実した日々を過ごしている。「日を重ねるごとにたくさんの人と喋れたりしているし、練習の強度にもだんだん慣れてきた。残り時間は少ないけど、一瞬一瞬を大事にプレーしていきたい」。28日のコロンビア戦(ヨドコウ)に向け、最後までアピールを続けていく構えだ。

 今季のJリーグ公式戦に全試合出場して藤井は合宿初日の20日、DF角田涼太朗(横浜FM)の負傷に伴う追加招集で初のA代表入り。今季6試合でわずか1失点に抑えてきた堅守を表現すべく、ここまで1週間トレーニングを続けてきた。

「パススピードの部分とか、質の部分は普段の練習やJリーグと違う」。当初はそんなギャップも感じていたが、「そこに慣れるのは最初は少し難しかったけど、徐々に慣れてきた」と藤井。いまでは「そこの基準でやらないとダメだなと思ったし、そのスピード感にもっともっと対応できるようにやっていかなきゃいけない」と新たな基準を手にしたようだ。

 24日のウルグアイ戦では出番を得られず、ベンチから戦況を見つめた。

「守備の部分では基本的な戦う部分、球際、ヘディングという個の戦いが多かったし、そういう個の戦いで勝っていくことが求められる。その中で組織の守備もあるけど、最終的には個で守れるCBが大事かなと思って見ていた」

 そうした局面の力強さは藤井がJリーグレベルでストロングポイントとしてきたところ。それでも「球際の部分もそうだし、バチンと行くところはもっともっと自分はやらないといけない」と課題を感じつつ、「ヨーロッパでやっている選手が多い中、練習からそういうシーンが多く見られるので、その基準に自分も達することができるように日々の練習から変えていかなきゃいけないと思う」と焦燥感ものぞかせた。

 もっとも、トレーニングで欧州組と対峙することで課題を突きつけられる経験も今後に活きてくるはずだ。「特定の選手というわけではないけど、もっと最後まで寄せ切るところ、間合いが自分の中で遠いところがある。Jリーグではシュートを打たれない場面でも、レベルが上がったらシュートを打たれるシーンが増えてくる。寄せの甘さが課題だと思っている」。その点については森保一監督からも「もう一個寄せないといけないと強く言われた」とのこと。「もっともっと突き詰めていきたい」と成長意欲を芽生えさせていた。

 とはいえ、ただトレーニングを積むためだけにA代表にやってきたわけではない。

 名古屋U-18の同期で現在オランダでプレーするDF菅原由勢はウルグアイ戦で先発出場。CBのライバルにあたる同い年のDF瀬古歩夢もフル出場しており、「同い年の選手も何人か出ているし、由勢も出ていたので悔しさはあった。あの舞台に立ちたい気持ちはより強くなった」とA代表デビューに闘志を燃やす。試合に出るためのアピールに残されたのはあと1日だけ。藤井は「対人やヘディングは海外でプレーしている選手にも食らいついていかなきゃいけない武器だと思うので、もっともっとアピールしていければ」と力を込めた。

(取材・文 竹内達也)

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