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目指すのは「アントラーズらしいCB」「強いCB」。U-16日本代表CB大川佑梧は「凄く大事」な大会で無失点勝利へ

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1日の練習でボールを奪うU-16日本代表CB大川佑梧(鹿島ユース)。ナイジェリア戦での無失点、勝利を誓う

 無失点勝利にこだわる。U-16日本代表は2日、「U-16インターナショナルドリームカップ2023 JAPAN」(福島・Jヴィレッジ)第2戦でU-16ナイジェリア代表と対戦。1日午前には前日練習を行い、初戦(5月31日、対U-16アメリカ代表)でベンチスタートだった選手たちと同先発のリカバリー組とに分かれて汗を流した。

 U-16アメリカ代表戦は1-2で敗戦。現U-16世代の代表チームは、昨年11月のスペイン遠征でウェールズ、スペイン、メキシコ相手に全3試合無失点で、今年3月のフランス遠征(モンテギュー国際大会)でもポルトガル、フランス、イングランドを無得点に封じるなど5試合でわずか1失点だった。

 2つの海外遠征を経験しているCB大川佑梧は、所属する鹿島ユースで先発出場を続けていることもあり、「U-16インターナショナルドリームカップ2023 JAPAN」初戦は体力面を考慮されて出番なし。ウォーミングエリアの最もゴール寄りの位置でピッチに立ちたそうにしている姿が印象的だった。

「自分たちのこの年代のチームとして失点するというのが2試合目くらいだったので、出ていなかったんですけれども、『出て、どうにかしたい』という気持ちがありました」と当時の心境を明かす。

 自分が出て、まず目指すことは無失点。2日のJヴィレッジは大雨予報で、身体能力の高いナイジェリアとの過酷なゲームとなりそうだが、「自分は守備の人間なので無失点で抑えることを大前提として、その中でどうチームを勝たせるか、考えながらプレーしていきたい。身体を張るところや、球際負けないところで、自分のプレーで盛り上げられたり、声を出せたらなと思っています」と力を込めた。

 大川は1歳上の世代であるU-17日本代表候補にも選出されている注目株。今回の「U-16インターナショナルドリームカップ2023 JAPAN」は、「一個上に入るために凄く大事になってくる」大会だと捉えている。

 代表関係者たちの評価の高い大川だが、4月のU-17日本代表候補合宿では「全ての面で自分は足りなかったと思います」と自己分析。ともにスペイン、フランス遠征を経験したCB黒木雄也(鳥栖U-18)の姿から「ビルドアップとか見て学ぶことが多かったし、(U-17代表候補に入っても)自信を持ってやっていたので、『自分ももっとやっていかないといけないな』と危機感を持てました」と振り返る。

 ジュニアから鹿島で育ってきた大川が大事にしていることは謙虚さや挑戦心。「自分よりも黒木の方が上手いと思ってプレーしていたり、食らいついてやろうというか、チャレンジャーという気持ちでいつもやっている」。U-17世代でアピールしたライバルに食らいつくためにも、黒木不在の今大会でU-16日本代表の無失点、そして勝利に貢献する意気込みだ。

 鹿島ユースでは4月のプリンスリーグ関東1部第3節からリーグ戦、クラブユース選手権予選と先発を続け、チームの勝利に貢献している。ヘディング、球際に強く行けるところ、そしてこの日のトレーニングでも見せていた正確な左足フィードがストロングポイント。目指しているのは、「アントラーズらしいCB」「強いCB」だ。

「(攻撃面以上に)守備のところでどれだけ貢献できるかということと、『アントラーズらしいCB』、『強いCB』になっていきたい」と意気込む。同じ左利きの長身CBで、クラブの先輩でもある日本代表DF町田浩樹(現ロイヤル・ユニオン・サンジロワーズ)は常に意識している存在。鹿島での日々に加え、国際試合の経験も重ねて先輩たちのようなCBになる。

(取材・文 吉田太郎)

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